
中古マンションの見学時に見ておきたいポイントと注意点⑦不動産会社は教えてくれない。2000年頃のマンションは「省エネ基準に適合」するかも?
中古住宅でも、省エネ基準に適合しているかどうかで住宅ローン減税の内容が変わることをご存じですか?
弊社で売却を担当している中古一戸建てについて、省エネ基準に適合していないか調べてみましたが、建物の仕様から適合は難しいことが分かりました。
そこで相談したのが、省エネ計算の専門家であるSHOW3。先日はSHOW3がご来店され、非常に勉強になるお話を伺いました。
今回はその内容と、中古住宅を売却・購入する際に省エネ性能を確認するメリットをご紹介します。
01専門家との対話で分かったこと省エネ計算の専門家SHOW3から学んだこと
SHOW3は、住宅の省エネ計算や適合判定に詳しい専門家です。以前からブログを拝見しており、省エネ計算の方法を調べるときには参考にさせていただいていました。
今回、特に教えていただきたかったのは、「中古マンションの中住戸のUA値を計算する際に、外皮面積をどう考えるか」という点です。
長い間、疑問に感じていた点を直接説明していただき、とても勉強になりました。
02築年数だけで判断しない2000年以降の中古マンションでも、省エネ基準を満たす可能性
SHOW3によると、2000年以降に建てられたマンションで、中住戸かつペアガラスを採用している場合には、省エネ基準を満たす可能性があるとのことでした。
ただし、これはすべての物件に当てはまるわけではありません。住戸の位置や窓・断熱材の仕様、図面に記載された情報などによって判断が変わります。
「築年数が古いから対象外」と決めつけず、図面や仕様書を確認したうえで、専門家に適合の可能性を調べてもらうことが大切だと感じました。
03住宅ローン減税に直接関係省エネ基準への適合で、減税額が変わります
この記事を最初に執筆した当時の制度では、一般の中古住宅と省エネ基準に適合した中古住宅で、住宅ローン控除の最大額に70万円の差がありました。
その後、令和8年(2026年)入居分から制度が改正され、中古住宅でも省エネ性能や世帯区分によって控除期間・借入限度額が変わるようになりました。
| 世帯区分 | 省エネ基準適合住宅とその他の中古住宅の最大控除額の差 |
|---|---|
| 子育て世帯・若者夫婦世帯 | 最大133万円 |
| それ以外の世帯 | 最大42万円 |
※いずれも制度上の理論上限額の差です。実際の控除額は、住宅ローン残高・所得税等の納税額・適用要件によって異なります。また、対象となる住宅の区分や入居時期によって条件が異なります。
つまり、同じ中古住宅でも、省エネ性能を証明できるかどうかが、購入者の資金計画に影響する場合があります。
詳しい制度の説明【令和8年版】中古住宅の住宅ローン減税|省エネ性能で控除額が最大133万円変わります中古住宅の区分ごとの借入限度額、控除期間、必要書類などを説明しています。記事を読む →04贈与税の特例にも関係省エネ性能の証明が、贈与税の非課税枠にも役立ちます
父母や祖父母などから住宅取得資金の贈与を受ける場合、一定の要件を満たせば贈与税の非課税特例を利用できます。
令和6年から令和8年までの制度では、省エネ等住宅なら1,000万円、それ以外の住宅なら500万円が非課税限度額です。
ただし、贈与税における「省エネ等住宅」は、省エネ性能だけでなく耐震性能やバリアフリー性能によって該当する場合もあります。住宅ローン減税と贈与税では、証明書や適用要件が同一とは限りません。
購入前に、利用したい制度と必要書類を確認しておくことが重要です。
関連記事住宅取得資金の贈与を受けた場合の非課税の特例親や祖父母などから住宅取得資金の贈与を受ける場合の注意点を解説しています。記事を読む →05計算と証明書発行は2段階SHOW3の省エネ計算・証明書発行の費用
SHOW3のサービス料金が変更されたため、現在ご案内いただいている「省エネ計算実施型(標準・個別計算)」の費用をご紹介します。物件の仕様や手元資料の状況により、利用できるプランが異なる場合があります。
| 段階 | 内容 | 費用 |
|---|---|---|
| 第1段階 計算実施 | 書類受付・省エネ計算・適合可否の判定。不適合の場合は、適合させるための「処方箋」を提示 | 44,000円 |
| 第2段階 証書発行 | 最終確認・証明書発行 | 33,000円 |
| 合計 | 77,000円 | |
| 段階 | 内容 | 費用 |
|---|---|---|
| 第1段階 計算実施 | 書類受付・省エネ計算・適合可否の判定。不適合の場合は、適合させるための「処方箋」を提示 | 99,000円 |
| 第2段階 証書発行 | 最終確認・証明書発行 | 33,000円 |
| 合計 | 132,000円 | |
まず第1段階で省エネ基準への適合を判定し、証明書の発行に進む場合は第2段階の費用がかかる仕組みです。不適合の場合も、改善に向けた「処方箋」が提示されます。ただし、改善工事の実施や適合の保証まで含まれるという意味ではありません。
マンションで合計77,000円の費用をかけても、省エネ性能の証明によって住宅ローン減税の条件が有利になる場合には、購入者にとって十分検討する価値があると考えます。
※上記金額はSHOW3からご案内いただいた料金です。税込・税別の区分や必要資料、追加費用、証明書の発行条件、ほかのプランの適用については、依頼前にご確認ください。計算を行っても必ず省エネ基準に適合するとは限りません。
06仲介会社の説明にも差が出る購入者にとって有利な制度は、積極的に伝えてほしい
SHOW3によれば、不動産会社の担当者からも省エネ計算の相談は来るものの、多くは「自宅を買うとき」の相談が中心だそうです。
つまり……
「お客様には伝えないけど、自分が買うときはちゃっかり使う」
というケースが多いという、なんとも不動産業界らしい話。
せっかく中古住宅の購入者にとって大きなメリットになる制度があるのに
- 「伝えるのが面倒」
- 「資料を揃えるのが面倒」
- 「自分の得にはならない」
などの理由で、買主へ積極的に案内しない不動産会社が多いのが実情です。
できれば、売主側の仲介が事前に省エネ適合の可否を調べておき、「省エネ基準に適合しているならチラシでしっかりアピール」した方がいいと思うのですが、残念ながらそんな物件は見たことがありません。
07売却前の準備で価値を伝える富士屋不動産は、省エネ性能も確認して物件の魅力を伝えます
弊社では、省エネ基準への適合が考えられるマンションや一戸建ての売却をご相談いただいた際、建築時の資料や断熱・窓の仕様などを確認し、必要に応じて専門家への相談をご提案します。
住宅ローン減税の対象となることを適切に証明できれば、購入希望者にとって購入を判断するうえでの材料が増えます。
省エネ性能だけで売却価格や売却期間が決まるわけではありません。しかし、価格や間取りだけでなく、建物の性能や維持管理の状況も伝えることで、住宅の価値をより正確に判断していただけると考えています。
08購入時も売却時も性能を確認まとめ|中古住宅は、省エネ性能の確認も大切です
中古住宅の購入・売却では、築年数や立地、間取り、価格だけで判断するのではなく、断熱性能や省エネ性能についても確認することが大切です。
- 住宅ローン減税の適用区分に影響する可能性がある
- 住宅取得資金の贈与税非課税特例に関係する場合がある
- 断熱性能を把握することは、住み心地や光熱費を考えるうえでも役立つ
- 売却時に性能を説明できれば、購入希望者の判断材料になる
なお、税制上の省エネ基準適合と、実際の光熱費や快適性は同じ指標ではありません。設備の使い方や暮らし方などによっても変わります。
富士屋不動産では、建物の性能や将来の維持管理も含め、売主様・買主様の双方が納得できる不動産取引を目指しています。
中古マンション・中古一戸建てのご売却やご購入について、お気軽にご相談ください。
では、また次回のブログでお会いしましょう。
富士屋不動産では、価格や間取りだけでなく、耐震性・断熱性・維持管理の状況も確認しながら、売却・購入をサポートしています。まだ具体的に決まっていない段階でもお気軽にご相談ください。