
【保存版】不動産の相続税と売却時の税金を徹底解説!知っておきたい特例と注意点
不動産(土地・建物など)を相続すると、 「相続税の支払い」だけでなく、 「売却時の税金」でも大きな負担が生じる可能性があります。
「実家を相続したけれど、税金はいくらかかるの?」
「とりあえず売却しようと思っているけど、損はしたくない」
このようにお考えの方へ。
不動産の相続には、知らないと損をする
税制優遇の特例がいくつか存在します。
今回は、「相続時」と 「相続後の売却時」それぞれにかかる主な税金と、 税負担を軽くするための特例制度について、わかりやすく解説します。
01 相続したときに発生する税金を整理 相続時にかかる税金
まずは、不動産を「もらったとき(相続したとき)」にかかる税金についてです。
● 相続税(国税)
亡くなった方(被相続人)の財産を受け継いだ人に課される税金です。
対象となるのは、不動産だけでなく、現金、預貯金、有価証券なども含まれます。
ただし、すべての相続に税金がかかるわけではありません。
遺産総額が「基礎控除額」を超えた場合にのみ、
その超えた部分に対して課税されます。
3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)
計算例:相続人が長女・次女の2人の場合
3,000万円 +(600万円 × 2人)= 4,200万円
→ 遺産総額(評価額)が4,200万円以下であれば、 相続税はかかりません。
ただし、 小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減などの特例を利用する場合には、 税額が0円でも相続税の申告が必要 になります。
● 登録免許税(国税)
不動産の名義を、亡くなった方から相続人に変更(相続登記)する際にかかる税金です。
※近年、相続登記は義務化されていますので、早めの手続きが必要です。
● 不動産取得税(地方税)
通常、不動産を買ったりもらったりしたときにかかる税金ですが、 相続による取得の場合は「非課税」です。 (※特定遺贈など、例外的なケースを除く。)
02 特例を使えば相続税を軽減できる 相続税を大幅に安くする制度
相続税がかかりそうな場合でも、 特例を使うことで税額をゼロ、あるいは大幅に減らせる可能性があります。
● 配偶者の税額軽減
亡くなった方の配偶者(妻や夫)が相続する場合、 以下のいずれか多い方の金額までは 相続税がかかりません。
つまり、法定相続分に相当する金額が1億6,000万円より少ない場合でも、 最低1億6,000万円までは配偶者の相続税が軽減される ということです。
これは「残された配偶者の生活を守る」ための制度です。
たとえば、遺産総額が2億円で、 相続人が「配偶者+子1人」の場合、 配偶者の法定相続分は2分の1なので1億円です。
この場合でも、法定相続分の1億円ではなく、 1億6,000万円まで 配偶者の税額軽減を受けることができます。
一方、法定相続分に相当する金額が1億6,000万円を超える場合は、 その法定相続分相当額まで軽減の対象となります。
※配偶者の税額軽減も、小規模宅地等の特例と同様に、 相続税の申告を行うことが適用の条件です。
● 小規模宅地等の特例(土地の評価額を80%減額)
亡くなった方が住んでいた土地(実家など)を相続する場合、 一定の要件を満たせば、 330㎡(約100坪)までの土地評価額を 80%減額 できる制度です。
自宅敷地の一部を月極駐車場として貸している場合は注意
例えば、土地が全部で200㎡あり、 そのうち170㎡を自宅の敷地、 30㎡(車2台分程度)を月極駐車場として貸していたケースを考えてみます。
土地200㎡全体の相続税評価額を 5,000万円とします。
もし200㎡すべてを自宅の敷地として使用していたのであれば、 一定の要件を満たすことで、 200㎡すべてについて80%減額を受けられる可能性があります。
ところが、そのうち30㎡を月極駐車場として第三者に貸している場合は、 自宅部分170㎡と駐車場部分30㎡を分けて判定 します。
ここでポイントになるのが、 月極駐車場として貸している30㎡の扱い です。
一定の要件を満たす月極駐車場は、 小規模宅地等の特例のうち 「貸付事業用宅地等」 に該当する場合があります。
アパートや賃貸住宅の敷地だけでなく、 一定の要件を満たす 月極駐車場などの貸付けに使用している土地 も対象になる場合があります。
貸付事業用宅地等に該当すれば、 200㎡までの土地について、 相続税評価額を 50%減額 することができます。
そのため、今回の例では、 その他の要件も満たしているものとして、 次のように分けて考えます。
特定居住用宅地等として 80%減額
貸付事業用宅地等として 50%減額
なお、月極駐車場だから自動的に50%減額になるわけではありません。 貸付けの状況や土地の利用状況など、 貸付事業用宅地等としての要件を満たしていること が必要です。
1㎡あたりの評価額が同じと仮定すると、 次のように計算できます。
そのため、
25万円 × 170㎡ = 4,250万円
25万円 × 30㎡ = 750万円
4,250万円 × 20% = 850万円
750万円 × 50% = 375万円
200㎡すべてを自宅として使用していた場合の1,000万円と比べると、 評価額は 225万円高く なります。
さらに注意したいのが、 相続開始前3年以内に新たに月極駐車場として貸し始めたケース です。
例えば、亡くなる2年前から30㎡を月極駐車場として貸し始めた場合、 一定の例外を除き、 その30㎡については「貸付事業用宅地等」の50%減額も 受けられない可能性があります。
4,250万円 × 20% = 850万円
750万円 → 減額なし
200㎡すべて自宅: 1,000万円
170㎡自宅+30㎡を3年以上貸付: 1,225万円
170㎡自宅+30㎡を2年前から貸付: 1,600万円
そのため、 「敷地が余っているから月極駐車場として貸せば得」とは限りません。
もちろん、駐車場として貸すことで毎月の賃料収入を得られますので、 相続税だけで損得を判断することはできません。
ただし、将来の相続を考える場合には、 駐車場収入だけでなく、 自宅敷地の一部を貸すことで 小規模宅地等の特例による減額割合が変わる可能性があること も知っておく必要があります。
また、月極駐車場部分について貸付事業用宅地等の特例を利用するためには、 貸付期間だけでなく、 アスファルト舗装やコンクリート舗装など 「建物または構築物の敷地」に該当するかどうかも確認が必要です。
砂利敷きの駐車場では、 実際の状況によって特例が認められない場合があります。
① 誰が使えるの?(主な適用パターン)
この特例は「残された家族の住居を守る」ためのものなので、 誰でも使えるわけではありません。
主に以下の3パターンのいずれかに該当する必要があります。
| パターン | 適用要件の概要 |
|---|---|
| A. 配偶者 | 無条件で適用可能 です(同居の有無も問いません)。 |
| B. 同居親族 | 亡くなった方と同居しており、 相続税の申告期限(10ヶ月後)まで 「住み続け、持ち続けている」 こと。 |
| C. 別居親族 | 「家なき子特例」 (※下記詳細)の要件を満たすこと。 |
② 別居していても使える!「家なき子特例」とは?
実家を出て賃貸暮らしをしているお子様などが相続する場合でも、 以下の厳しい条件をすべて満たせば80%減額が使えます。
※「持ち家はあるが、単身赴任で賃貸に住んでいる」といった場合は適用されません。 要件は複雑なため、必ず専門家の確認が必要です。
③ 二世帯住宅の場合は?
「玄関が別々」「内部で行き来できない」といった完全分離型の二世帯住宅でも、 建物が「区分所有登記」されていなければ、 全体を同居とみなして特例が適用できる場合があります。
(※区分所有登記されていると適用不可になるケースがあるため、 登記簿の確認が重要です)
「特例を使って相続税がゼロになる場合」でも、 相続税の申告は必須です!
この特例は、 「申告書を提出すること」が適用の条件です。
「税金が出ないから何もしなくていい」と勘違いして申告をしないと、 特例が認められず、 本来の税額(減額前)での支払いを求められる ことになります。
03 売却時の税金と使える特例を確認 相続した不動産を「売却」したときの税金
相続手続きが終わり、 不動産を売却して利益(譲渡益)が出ると、 今度は 「譲渡所得税(所得税+住民税)」 がかかります。
ここでも、特例を使うことで税金を大きく抑えることができます。
● 相続空き家の3,000万円特別控除
「亡くなった方が一人暮らしをしていた実家」を相続し、 売却した場合に使える特例です。
売却益から 最大3,000万円を控除 できるため、税金がゼロになるケースも少なくありません。
【主な適用要件】 (※これら全てを満たす必要があります)
★【重要】2024年(令和6年)から要件が緩和されました!
従来は、売主が「引き渡し前」に 自費で解体やリフォームを済ませる必要がありました。
しかし、 2024年(令和6年)1月1日以降の売却 については、以下の通り緩和されています。
「引き渡し後(翌年2月15日まで)」に、 買主が工事を行っても特例が適用されます。
これにより、売主様は 「解体費用を先行負担するリスク」 がなくなり、 現況のまま(古家のまま)売却しやすくなりました。
※ただし、特例を受けるための書類手続き等は必要ですのでご注意ください。
● 取得費加算の特例
相続税を支払った人が、その不動産を一定期間内に売却した場合、 支払った相続税の一部を経費(取得費)に上乗せできる 制度です。
経費が増える分、 利益が圧縮され、税金が安くなります。
この特例が使えるのは、 相続開始のあった日の翌日から 相続税の申告期限の翌日以後 3年を経過する日まで (おおむね相続開始から3年10か月以内) に売却した場合に限られます。
「相続空き家の3,000万円控除」と 「取得費加算の特例」は、 どちらか一方しか使えません(併用不可)。
● 【ケーススタディ】どちらの特例を使うべきか?
一般的には、 「3,000万円特別控除」の方が有利な場合が多いですが、 「高額な相続税を支払った方」 は逆転する可能性があります。
具体的に、以下のケースで比較してみましょう。
| 比較 | A. 空き家の3,000万円控除 | B. 取得費加算の特例 |
|---|---|---|
| 計算の仕組み | 売却益から 3,000万円 を引く | 売却益から 相続税額(4,000万円) を引く |
| 課税される金額 | 7,000万円 − 3,000万円 = 4,000万円 | 7,000万円 − 4,000万円 = 3,000万円 |
|
支払う税金 (約20%) |
約800万円 | 約600万円 |
| 結果 | Bの方が200万円お得! |
このように、 「支払った相続税額(その土地分)」が 「3,000万円」を超えるようなケース では、 取得費加算の特例を使ったほうが税金が安くなります。
逆に、相続税を支払っていない、 あるいは少額だった場合は、 3,000万円特別控除の方が圧倒的に有利です。
ご自身の状況に合わせて、 必ずシミュレーションが必要です。
24時間受付・無料※長期譲渡所得の税率は、実際には 20.315% (所得税・復興特別所得税15.315%+住民税5%) ですが、 ここではイメージをつかみやすくするため、 概算で「約20%」として計算しています。
04 売却前に専門家へ確認することが重要 必ず専門家へ相談してください
相続税や譲渡所得税の計算は非常に複雑です。
「特例が使えると思っていたのに、要件を満たしていなかった」
「先に売却してしまったせいで、特例が使えなくなった」
こうした失敗を防ぐためにも、 自己判断だけで進めないことが大切です。
不動産会社の担当者が、 税金の詳細まで精通しているとは限りません。
「売却してから後悔した」 という事態を避けるためにも、 税理士などの専門家を交えて、 売却前に相談・シミュレーションを行うこと が大切です。
05 相続と売却で押さえておきたいポイント まとめ
不動産の相続や売却をご検討中の方は、 ぜひ一度、 富士屋不動産 までご相談ください。
不動産のプロとして、また税理士と連携し、 お客様にとって最適な相続・売却プランをご提案いたします。