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2024年から義務化された不動産の相続登記の基礎知識と注意点

相続

2024年10月31日登録2026年10月26日更新

2024年4月1日より、不動産の相続登記が義務化されました。

不動産を相続した場合は、一定期間内に相続登記を行わなければなりません。さらに2026年4月1日からは、住所・氏名の変更登記も義務化されています。今回は、相続登記の義務化を中心にわかりやすく解説します。

目次タップで開閉
  1. 相続登記の義務化とは?
  2. 義務化に伴うルール
  3. 相続登記を放置することで生じるリスク
  4. 相続登記に必要な書類と手続き
  5. よくある質問
  6. 相続登記にかかる費用
  7. 2026年4月から住所・氏名の変更登記も義務化
  8. 最後に

012024年4月1日から義務化相続登記の義務化とは?

相続登記の義務化は、2024年4月1日から始まっています。相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記を申請する義務があります。義務化以前は任意であった相続登記ですが、所有者不明土地が増加し、取引や公共事業の妨げになることなどを背景に義務化されました。

正当な理由なく義務を怠った場合には、10万円以下の過料が科されることがありますので、早めの手続きをおすすめします。

所有者不明土地とは?

① 不動産登記簿などにより所有者が直ちに判明しない土地。

② 所有者が判明しても、所在が不明で連絡がつかない土地。

上記のいずれかに該当する土地を指します。

所有者不明土地が増えることで起こる問題

① 不動産の売買が難しくなる

所有者が不明なため売買が進まなかったり、隣地の所有者が不明で境界確認が難航したりするなど、取引に影響を及ぼす可能性があります。

② 公共事業や開発が停滞する

所有者不明の土地は、公共事業や民間の開発にとっても障害となります。

③ 土地の管理が不十分になる

適切に管理されていない土地では、雑草が生えるなど、近隣の環境に悪影響を与える場合があります。

023年の申請期限と例外への対応義務化に伴うルール

① 基本のルール

相続(遺言による取得も含みます)によって不動産を取得した相続人は、相続によって所有権を取得したことを知った日から3年以内に、相続登記を申請しなければなりません。

② 遺産分割が成立したときの追加ルール

遺産分割の話し合いがまとまり不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から3年以内に、その内容に応じた登記を申請しなければなりません。

義務化前に発生した相続も対象です。

2024年4月1日より前の相続については、原則として2024年4月1日と相続による取得を知った日のうち、遅い方から3年以内です。施行日時点で取得を知っていた場合の期限は2027年3月31日です。

③ 遺産分割がまとまらないときは「相続人申告登記」

遺産分割協議が早期にまとまらない場合は、期限内に法務局へ「相続人申告登記」の申出を行うことで、申出をした相続人は基本的な相続登記の申請義務を履行したものとみなされます。

相続人申告登記は、戸籍などを提出し、自分が相続人であることを申し出る制度です。登録免許税はかかりません。

ただし、相続人申告登記だけでは所有権の移転登記は完了しません。不動産の売却や担保設定を行う際には、必要な相続登記を済ませる必要があります。その後に遺産分割が成立した場合も、成立日から3年以内にその内容に応じた登記が必要です。

03長期間の放置で相続人や手間が増える相続登記を放置することで生じるリスク

① 相続人が増え、手続きが複雑になる

一次相続の関係図

例えば父親が亡くなり、母親と2人の子どもが相続する場合、遺産分割協議がスムーズに進めば、相続登記も比較的進めやすくなります。

ところが、相続登記を長期間放置して次の相続(二次相続)が発生すると、相続関係者が増えてしまうことがあります。

二次相続によって相続関係者が増える例

仮に、母親が再婚で前の夫との間にも子どもがいた場合、母親が亡くなるとその子どもも母親の相続人になります。父親の遺産分割が未了であれば、母親の相続上の立場を引き継ぐため、父親の子ども2人に加え、母親の前婚の子どもも協議に関係することになります。関係者同士が疎遠だと、協議が難航する可能性があります。

② 相続人の判断能力が低下する

認知症などで遺産分割協議が難しくなる場合

相続人の1人が認知症などで遺産分割協議に必要な判断能力を欠く場合、成年後見制度の利用などが必要になることがあります。親族が後見人で、遺産分割について利益相反が生じる場合には、特別代理人等の選任が必要となることもあります。

成年後見人等は必ずしも親族が選ばれるとは限らず、専門職が選任される場合もあります。元気なうちの遺言書作成や家族信託の検討など、早めの対策も大切です。

※成年後見人の選任状況は年度によって変わるため、最新の割合は最高裁判所の公表資料をご確認ください。

04必要書類は相続の方法によって異なる相続登記に必要な書類と手続き

相続登記では、一般的に次のような書類が必要です。相続の方法や登記簿の記載状況によって追加・省略される書類があります。

① 被相続人に関するもの

  • 出生から死亡までの戸籍謄本・除籍謄本など
  • 住民票の除票または戸籍の附票など

② 相続人に関するもの

  • 相続人の戸籍謄本など
  • 不動産を取得する方の住民票など

③ 相続の内容・不動産に関するもの

  • 遺言による相続:遺言書など(自筆証書遺言は原則として検認が必要。法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用したものなどは検認不要)
  • 遺産分割による相続:遺産分割協議書・相続人の印鑑証明書など
  • 固定資産評価証明書など、登録免許税額を確認できる書類

戸籍書類などは、司法書士が委任を受けて取得できる場合があります。遺産分割協議書の作成についても相談できます。

手続きを楽にする制度

戸籍の広域交付:2024年3月1日から、本籍地以外の市区町村の窓口でも戸籍謄本等をまとめて請求できるようになりました。ただし、請求できる人や対象となる証明書には制限があります。

法定相続情報証明制度:法務局で「法定相続情報一覧図の写し」の交付を受けると、相続登記などで戸籍謄本の束の代わりに利用できます。

所有不動産記録証明制度:2026年2月2日から、亡くなった方などの名義の不動産の記録を一覧で確認できる制度が始まりました。相続登記の漏れを防ぐためにも役立ちます。

05登記実務でよくある疑問よくある質問

Q.不動産の権利証(登記識別情報)がない場合は?

A.相続登記は、通常、亡くなった方の権利証(登記識別情報)がなくても手続きを進められます。

Q.相続人が行方不明の場合は?

A.遺産分割協議は原則として相続人全員で行います。行方不明者がいる場合、不在者財産管理人の選任などを家庭裁判所に申し立てる方法があります。管理人が遺産分割協議をするには、別途、家庭裁判所の権限外行為許可が必要になることがあります。

Q.脳梗塞などで字が書けない場合は?

A.本人が遺産分割の内容を理解し、同意できる判断能力を有していることが前提です。本人の意思を確認したうえで代書等の方法が検討されることもありますが、書面の作成方法を誤ると有効性に争いが生じる可能性があるため、司法書士等に相談することをおすすめします。

06税金と司法書士報酬を確認相続登記にかかる費用

登録免許税:相続による所有権移転登記では、原則として不動産の固定資産税評価額の0.4%(1,000分の4)です。例えば、土地・建物の課税標準額を合計2,000万円とした単純計算では8万円です。

登録免許税の免税措置(2027年3月31日まで)

所定の要件を満たす土地の相続登記について、次の免税措置があります。

  • 登録免許税の課税標準となる不動産の価額が100万円以下の土地について、所定の相続による所有権移転登記等をする場合
  • 土地を相続した方が登記前に亡くなり、その亡くなった方を登記名義人とするための所定の相続登記をする場合

※免税の対象は条件を満たす土地の登記です。建物には同じ免税措置が当然に適用されるわけではありません。

司法書士への報酬:相続登記の申請、戸籍等の取得、遺産分割協議書作成など、依頼内容によって金額が変わります。事前に見積もりを確認しましょう。

07引っ越しや改姓後も登記が必要に2026年4月から住所・氏名の変更登記も義務化

2026年4月1日から、不動産の所有者は、住所や氏名が変わった日から2年以内に変更登記を申請することが義務付けられました。正当な理由なく怠った場合は、5万円以下の過料が科されることがあります。

2026年4月1日より前に住所や氏名が変わり、まだ変更登記をしていない場合も対象です。この場合は2028年3月31日までに対応が必要です。

スマート変更登記:あらかじめ「検索用情報の申出」をすると、法務局が住基ネット等を通じて変更を確認し、本人への意思確認を経て職権で変更登記を行う制度を利用できます。ただし、実施時期や対象範囲には運用上の条件があります。詳しくは法務省の最新の案内をご確認ください。

法務省「スマート変更登記について」

08売却の前に名義の確認を最後に

相続登記を長く放置すると、相続人が増えたり、話し合いが難しくなったりすることがあります。売却する予定がなくても、早めの確認と手続きが大切です。

富士屋不動産では、相続した土地・一戸建て・マンションの売却についてご相談を承っております。必要に応じて司法書士のご紹介なども行っておりますので、お気軽にご相談ください。

では、また次回のブログでお会いしましょう。

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富士屋不動産では、板橋区を中心に土地・一戸建て・マンションの売却相談を承っています。相続登記の進め方を確認しながら、売却に向けた準備をお手伝いします。

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