旭ファイバーグラス社の断熱推奨仕様
旭ファイバーグラス社のホームページに断熱等級別に推奨仕様が掲載されておりますのでご紹介します。
グラスウール断熱材の性能
建売住宅でよく使われている断熱材はコシが弱い
コシがなく一度潰してしまうと、元の厚みに戻すのは難しいです。
程々にコシがある16Kの断熱材でも、下の写真のような施工物件もあったりします。
最終的には職人さんの腕次第というところでしょうか。写真のような施工だと断熱の機能も薄まり、机上の断熱性能が担保できないどころか、室内の水蒸気が壁内部へと進入してしまうので壁内結露の要因になります。
断熱材の施工方法による性能への影響
施工方法によって断熱性能が2割ほど性能が落ちることがあります。
今回取り寄せたサンプルの中で最も密度の高い36Kの断熱材も潰してみました。
動画も撮影しましたのでご覧ください。
コシがあるので、手で潰しても簡単に元の厚みに戻すことができましたが、コンセントボックスやスイッチプレートの厚み分だけ加工しなければならず、施工費が上がりそうです。
また、この36K断熱材は防湿シートを別に張らなければなりません。
断熱性能別の材料費を計算
断熱性能などを算出する際に使用されている自立循環型モデルプランで、断熱材別の材料費(メーカーHP記載の設計単価)を計算してみました。
外周部面積:139.48㎡、1階床下面積:62.1㎡、2階天井面積:67.92㎡
断熱等級4:589,634円
断熱等級5:672,224円(4との差額82,590円)
断熱等級6:1,172,260円(別張り防湿シート含む)(4との差額582,626円)
※工賃別、床断熱仕様、浴室基礎断熱は差額無し、玄関断熱なしで計算
一部例外もありますが、等級4未満の建売住宅においてもアルミ樹脂複合サッシを採用しているので、等級4→5へのランクアップは材料費だけの約9万円になりました。
ただし、仕入れ値(割引率)が異なるので、差額はもう少し増えると思っておいたほうがいいですね。
等級4→6との差額は約60万円ですが、アルミ樹脂複合サッシを樹脂サッシに変更、断熱材と防湿シートの施工費を考慮すると200万~300万円くらいはコストアップになると思われます。
※準防火地域の場合は防火窓にしなければなりませんので、窓のグレードアップの費用負担がかなりあります。
コストアップ分は冷暖房費で回収できる?
断熱性能を上げた際に掛かるコストアップ分を、過去のブログ【ワンランク上の設備、仕様の高級感のある住宅】と【省エネで快適な高性能住宅】でシミュレーションした冷暖房費の削減額で割って、何年で回収できるか計算してみました。
※上記の冷暖房費の間取りも自立循環型モデルプランを採用しております。
年間冷暖房費 (4との差額) | 工事費増加分 (4との差額) | 回収年数 | |
断熱等級4 | 346,500円 | ー | ー |
断熱等級5 | 240,240円 (106,260円) | 90,000円 | 1年 |
断熱等級6 | 179,760円 (166,740円) | 2,000,000円 2,500,000円 3,000,000円 | 12年 15年 18年 |