
浸水区域内にある建売住宅を購入する場合の注意点
浸水区域内にある建売住宅を購入する場合の注意点
ハザードマップで浸水区域に指定されている場所の建売住宅は、どのような点に注意して選べばよいのでしょうか。
この記事では、浸水リスクの調べ方と、建売住宅を購入する場合に確認したいポイントを紹介します。2026年に発生した千葉県の豪雨や、板橋区・高島通り周辺の浸水事例から分かる注意点も追記しました。
浸水被害のリスクについて
近年、豪雨や台風などにより、土砂災害や家屋の流出など甚大な被害が発生しています。
都内では、令和元年10月の台風19号により、多摩川が氾濫したことを覚えておられると思います。
私自身は、平成17年9月の妙正寺川の氾濫、平成22年7月の石神井川の氾濫を目の当たりにしております。共に1時間雨量が100mmを超える猛烈な雨で、平成17年9月は善福寺川の被害と併せて約3,500棟、平成22年の石神井川氾濫では約660棟もの被害が出ました。
ハザードマップに色がない場所でも浸水することがある
2026年8月の千葉豪雨で分かったこと
2026年8月13日から14日にかけて、千葉県では記録的な豪雨となり、道路や住宅などで浸水被害が発生しました。
千葉大学医学部附属病院でも、ハザードマップ上は浸水想定区域外でしたが、地下に浸水被害が発生したと報じられています。
ハザードマップは想定条件に基づいて作成されています。短時間に排水能力を超える雨が降ると、下水道や側溝などで処理しきれない雨水が地表にあふれる「内水氾濫」が起こることがあります。そのため、地図に色が付いていないから絶対に浸水しない、ということではありません。
板橋区・高島通り周辺でも浸水被害
板橋区でも、2026年8月22日の集中豪雨により家屋などの浸水被害が発生し、区は罹災証明書の発行や家屋の消毒などの支援を行いました。
当日は、高島通りやその沿道でも道路が冠水し、車両が水の中を走行する様子や、通行が難しくなった場所が確認されています。荒川の氾濫を想定した水害だけでなく、短時間の集中豪雨による内水氾濫にも注意が必要です。
契約時に浸水リスクを説明
令和2年8月より、不動産取引業者は重要事項説明の際に、水害ハザードマップ上で対象物件の所在地を示して説明することになりました。富士屋不動産では、創業時より物件をご案内する段階でハザードマップの資料を用いてご説明しています。
その他にも、近隣に浸水履歴がありそうな物件については、事前に役所で調査を行い、ご説明しています。
「ありそうだな」と判断できるのは、弊社が板橋区を中心に営業活動を行い、自転車で回ることが多いためです。「建物の脇に土のうが置いてあるから、過去に浸水したのかな」という細かい点も目に入ります。
特に半地下の物件については、ご購入に反対することが多くあります。その他に注意する点として、1階の床と道路の高さがほぼ同じ物件についても、注意喚起を行っています。
ハザードマップと浸水履歴の確認を
「板橋区の特徴」や「北区の特徴」の記事でもお伝えしていますが、板橋区・北区は武蔵野台地である高台側と低地側とで高低差があります。
水害ハザードマップを見るときは、河川の氾濫だけでなく、集中豪雨による内水氾濫も確認しましょう。また、板橋区は昭和43年4月30日以降の床上・床下浸水と道路冠水の履歴を公開しています。購入予定地だけでなく、周辺道路や最寄り駅までの経路も確認することが大切です。
特に荒川が氾濫した場合の想定では、5m以上浸水するエリアもあります。5m以上というのは2階の天井を超える深さですので、ご購入を検討される際には熟考のうえご判断ください。
浸水区域内にある建売住宅を購入する場合
お子様の学校の問題、ご実家が近くにあるなど、お客様それぞれのご事情もあります。浸水リスクのあるエリアでお住まいを探される方に向けて、確認したいポイントをお知らせします。
- 「家屋倒壊等氾濫想定区域(氾濫流)」外のエリアで探す
家屋倒壊等氾濫想定区域とは、氾濫流の直撃により、標準的な木造家屋の倒壊などをもたらすような氾濫が想定され、早期の立ち退き避難が必要な区域です。 - 2階の床の高さと想定される浸水深を調べる
立面図や断面図など高さが分かる図面を請求し、2階の床の高さと想定される浸水深を比べて、2階までは浸水しないような物件を探しましょう。 - 浸水リスクの高いエリアでは2階LDKも検討する
万一、1階が浸水しても、2階で避難生活ができるような物件を探すことをお勧めします。 - 道路と1階床の高さを現地で確認する
ハザードマップの色だけで判断せず、前面道路より敷地や玄関が低くないか、周囲から雨水が集まりやすい形状ではないかを確認しましょう。
板橋区の家屋倒壊等氾濫想定区域
舟渡1丁目~4丁目、新河岸1・2丁目、高島平6丁目、三園2丁目の各一部です。
北区の家屋倒壊等氾濫想定区域
京浜東北線の北側周辺、浮間3丁目~5丁目、赤羽北1・2丁目の一部など、低地側の広い範囲が該当します。
1階床上まで浸水するような水害が発生した場合、数日間は水道・電気・ガスが使用できず、近隣のスーパーも営業できなくなる可能性があります。自家用車が水没して遠出ができず、避難所がいっぱいで自宅避難になることも考えられます。
建ぺい率50%、容積率100%など2階建ての多いエリアでは、1階にLDKがある間取りの方が生活しやすいように思います。しかし、1階床上まで浸水した場合は冷蔵庫内の食材や食器なども使えなくなりますので、2階LDKの方が安心です。
また、貴重品や非常食なども2階へ保管することをお勧めします。
水害対策仕様の注文住宅もあります
建売住宅ではありませんが、一条工務店やヤマダホームズなど、一部のハウスメーカーでは水害対策を施した注文住宅もあります。
滋賀県では浸水区域にかさ上げなどを義務付け
滋賀県では、著しい被害をもたらすおそれが認められる区域について、建築物の建築に県知事の許可が必要となる場合があります。居室の床面を想定水位以上にすることや、避難できる場所を確保することなどが求められています。
都内では、高度地区などの高さ制限により、浸水リスクの高いエリアでも、かさ上げどころか半地下や1階床を下げた物件も見受けられます。
不動産会社の営業スタッフの意見やアドバイスだけではなく、ご自身でしっかり調査することも大切ですよ。
富士屋不動産では、板橋区を中心に不動産情報を豊富に取り扱っています。物件のご案内時には、建物だけでなく周辺の地形や浸水履歴も一緒に確認します。