先日、仲宿I様邸の構造見学会が開催されました。近隣にお住まいの方にもご参加いただき、建築中の現場をじっくりご覧いただく機会となりましたが、大きな吹き抜けを見て、こんな声が聞こえてきました。
お気持ち、よくわかります。吹き抜けがあると天井が高くなる分、暖かい空気が上に逃げてしまい、暖房効率が悪くなる——そう思われるのは自然なことです。
でも、それは「普通の断熱性能の家」の話。高気密・高断熱住宅では、そんなことないんです。むしろ効率的に空調できることもあるんですよ。
気密性が高いと、外気が入りにくくなります。断熱性が高いと、冷気や熱気が壁・窓などから伝わりにくくなります。そのため冬は、1階のエアコンで暖めた空気が吹き抜けを通じて2階まで自然に上昇し、家全体の温度差を小さくしやすくなります。
また夏は、2階のエアコンで冷やした空気が吹き抜けを通じて1階へ下りていくため、家全体を効率よく涼しくすることができます。
吹き抜けがあることで空気の対流が生まれ、冷暖房効率がむしろ上がります。小さなエネルギーで快適な室温を維持できるため、光熱費の節約にもつながります。
吹き抜けがあることで1階と2階が空間的につながり、暖かい空気や冷たい空気が上下階で行き来しやすくなります。
高気密・高断熱住宅では、外気の影響を受けにくく、室内の熱も逃げにくいため、吹き抜けを通じて空気が循環しやすく、上下階の温度差を小さくしやすくなります。
「12月の完成見学会のときに、ぜひ体感してみてください」とお伝えしました。実際に暖房をつけた状態の家に入っていただくのが、一番の説明になると思っています。
写真でご覧いただけるように、壁・天井のすべての面に「FPの家」の断熱パネルが隙間なく施工されています。
FPウレタン断熱パネルは、工場で木枠の中に硬質ウレタンフォームを隙間なく充填し、一体成型された断熱パネルです。現場で吹き付ける断熱材とは異なり、工場で高圧発泡して製造されるため、ウレタン内部の気泡が細かく均一になり、密度の高い断熱材になります。
さらに、パネル同士の継ぎ目や柱・梁との取り合い部分を気密テープで丁寧に処理することで、隙間から空気が出入りしにくくなります。これにより、断熱材本来の性能を発揮しやすくなり、室内の温度も安定しやすくなります。
「今の窓は二枚ガラスだから暖かいのよね」とおっしゃっていた見学者様。確かに、ペアガラス(複層ガラス)は単板ガラスに比べて断熱性が格段に優れています。
ただ、I様邸に採用しているのは樹脂サッシ×トリプルガラス(三重ガラス)防火仕様です。アルミサッシは熱を伝えやすく、ガラスをどれだけ高性能にしても枠から冷気が入り込んでしまいます。樹脂サッシはアルミの約1/1000しか熱を伝えないため、枠ごと断熱できるのが大きな違いです。
| 種別(製品例) | サッシ素材 | Uw値 | 計算式 ※ | 内側表面温度 |
|---|---|---|---|---|
| 単板ガラス 昔のアルミ窓 |
アルミ | 6.0 | 20−(6.0×20)÷8.0 | 約5℃ 結露・カビ発生域 |
| Low-E複層ガラス防火窓 リクシル 防火戸FG-H(アルゴンガス入り) |
アルミ樹脂複合 | 2.3 | 20−(2.3×20)÷8.0 | 約14℃ やや冷たさを感じる |
| トリプルガラス防火窓(I様邸) エクセルシャノン Type TG(アルゴンガス入り) |
オール樹脂 | 1.25 | 20−(1.25×20)÷8.0 | 約17℃ 室温により近い感覚 |
※外気温0℃・室内設定温度20℃・室内側熱伝達率8.0 W/m²K(JIS A 2103準拠)で算出。Uw値は各メーカー公表値(JIS A 4710試験値)。防火窓同士の比較。
樹脂サッシ×トリプルガラスは結露がほぼ発生せず、窓際に立っても冷気を感じにくいのが特徴です。防火窓同士で比較しても約3℃の差——この違いが冬の朝の快適さを左右します。
「百聞は一見にしかず」——実際に暖房をつけた状態の家の暖かさを、ぜひ肌で感じてみてください。吹き抜けがあるのに寒くない、その理由が必ず伝わると思います。
詳細が決まり次第、このブログでお知らせします。



