以前、アメブロでアメンバー限定記事として、近所で建築中だった建売住宅の施工状況をレポートした記事を公開していましたが、その物件は売却済みとなり、時間も大分経ちましたので、今回、自社サイトのブログにあらためて掲載することにしました。
「施工現場を見る目」を養っていただく参考として、ぜひ最後まで読んでいただければと思います。
下の写真は、近所で建築中だった建売住宅の軒天井(のきてんじょう)を撮影したものです。
▲ 仕上げ材となる軒天井に、はっきりと足跡が残っている
天井なのに、大きな足跡がついているのが分かるでしょうか。おそらく、天井材を張る前の段階で、泥のついた靴でその上を歩いてしまったのでしょう。
実は、私の祖父の家の居間にも天井に足跡がいくつもついていて、幼い頃から「なぜ天井に足跡があるのだろう?」と不思議に思っていました。建築の学校に進んで、ようやくその理由が分かりました。
仕上げ材なのに、土足で踏んでいるんです。
この物件では、このあとペンキ塗装が施されるため、完成後に足跡に気づく人はほとんどいないでしょう。
しかし、腕のある職人であれば、仕上げ材をそもそも踏むことはしません。こうした「見えなくなる部分の扱い方」が、職人の質を示していますね。
外壁の内側には、二次防水として透湿防水シートが貼られます。
この防水シートがしっかりしていれば、外壁にある程度のひび割れが生じても、雨水が室内に侵入することはありません。ところが、この物件の防水シートはかなり雑な仕上がりでした。
▲ 防水シートに複数の破れ・傷が確認された
さらに深刻だったのが、配管周りの処理です。
▲ 配管周りの防水処理が極めて雑な施工でした
配管の貫通部には、防水テープをしっかり貼り重ねて隙間をなくす必要があります。
▲ 配管周りには防水テープを丁寧に貼り重ねるのが正しい施工
円形の配管にテープをきれいに貼るのは難しいため、専用部材を使う工務店もあります。
▲ 専用の配管貫通部材を使用することで確実な防水処理が可能になる
しかしこの物件では、テープすら貼られることなく外壁材が施工されていました。
▲ テープ処理なしのまま外壁材が施工された配管周り
この状態では、万一外壁の内側に雨水が入ってしまうと、透湿防水シートの裏側(室内側)にまで水が回ってしまう可能性があります。
新築住宅の雨漏りには10年間の瑕疵担保責任(品確法による)があります。10年以内に雨漏りが発生すれば、売主が補修を行う義務を負います。
しかし、10年を超えてから発生した場合は保証の対象外となります。
不法行為による責任追及という手段も残ってはいますが、立証や交渉に相応の労力がかかることは覚悟しなければなりません。
⚠ 雨漏りリスクを防ぐために確認したいこと
- 透湿防水シートに破れ・傷がないか
- 配管貫通部に防水テープ・専用部材が施工されているか
- 施工中の現場を見学し、写真を残しておく
- インスペクション(住宅診断)を活用する
実は、この物件を見学したいというお客様がいて、実際にご案内する機会がありました。案内の際に上記のような施工状況をお伝えし、この家はお勧めできませんとはっきりお伝えしました。もちろん、弊社がこの物件を仲介することはありませんでした。
建売住宅を検討する際、「大手が売っているから安心」「価格が高いから良い物件だ」と考える方は少なくありません。しかし、施工の品質は完成後には確認できない部分に大きく左右されます。
工事中の現場を見学すること、建築知識のある不動産営業マンに依頼することが、将来の後悔を防ぐことになるかもしれませんね。
弊社では、建築の専門学校で設計・施工管理を学んだ経験と、約400棟の住宅に関わったノウハウをもとに、物件選びのサポートをしています。
建売住宅や中古戸建をご検討の方は、お気軽にご相談ください。



