昨日の日経新聞に、住信SBIネット銀行が住宅ローンの返済期間を従来の35年から最長50年に伸ばすという記事がありました。23区内で発売された新築マンションの平均価格が1憶円を突破しており、一戸建てにもその影響が及んでいる感があります。
土地相場だけではなく、ウッドショック以降、建築費も高止まりしており、新築一戸建てやリノベマンションの販売価格も5年前と比べて1千万円近く値上がりしているのではないでしょうか。
これまで共働き世帯が買い支えてきた新築マンション、新築一戸建てですが、所謂パワーカップルでも手が出せないほどの金額になりつつあるので、若者向けに最長50年ローンという商品が出てきたのではないかと考えます。
完済年齢が80歳未満とこれまでと変わらないので、最長50年ローンを組めるのは29歳未満ということになります。
尚、35年超で借入する際には、金利が0.15%上乗せされます。
さて、50年もの超長期住宅ローンは住宅金融支援機構のフラット50という商品がありますが、こちらは”長期優良住宅”を対象としているので、耐震性・断熱性・劣化対策や維持管理などについて一定の基準を満たした住宅を購入する場合に限り利用できますが、住信SBIネット銀行の50年ローンはそのような基準については記載されておりません。
ということは、劣化対策や維持管理について考慮されていない家、例えば配管などがベタ基礎の下を通っている家などを50年ローンで買ったしまった場合、配管を交換したいけど1階の床を剥がして基礎コンクリートを斫らなければならないなど、過分な費用が掛かるといったことも考えられます。
また、隣棟間隔が狭くて足場を掛けるには、お隣さんの敷地を使わせてもらわなければならない、お隣さんのエアコン室外機があって足場が掛けられないなどもあり得ます。
※超長期ローンを組まないケースでも、隣棟間隔が狭い家については気をつけてほしいポイントです。
返済期間が35年だとローンを組めなかった方が、50年で試算すると借りることができるといったことを想定しますが、超長期でローンを組まれる際にはローンを払う間に掛かるメンテナンス費用などライフサイクルコストも含めて判断してくださいね。
毎月の支払いが安くなってお得ですよ~なんて言ってくるイケイケの営業スタッフの言葉を鵜呑みにしてはいけませんよ。
今日はこの辺で。
では、また次回のブログでお会いしましょう。