購入後にかかる総コストを考えて家探し
高断熱住宅と低断熱住宅の光熱費比較
気象庁データベースを使用して、暖房をつける冬期間(11月~4月)の電気代を計算してみました。
練馬観測所の2013年~2020年の月別の平均気温を調べてみると、1月:4.8℃、2月:5.8℃、3月10℃、4月14.4℃、11月:12.4℃、12月:7.1℃で、これを平均すると9.0℃になります。
6か月間の平均気温9℃、建物外皮面積(壁、窓、屋根、床など外気に接する場所の面積)300㎡、エアコン設定23℃で1日8時間稼働した時の暖房費を断熱性能別に計算してみます。
❶高断熱住宅であるZEH基準のUa値は0.60W/㎡K
❷建売では高断熱といってよい断熱等級4でUa値は0.87 W/㎡K
❸最近販売されていた断熱等級4未満の家でUa値1.04 W/㎡K
電気代が27円(kWh)の時の6か月間の暖房費は
❶3628kWh×27円(kWh)=97,956円(月額平均16,326円)
❷5261 kWh×27円(kWh)=142,047円(月額平均23,674円)
❸6289 kWh×27円(kWh)=169,803円(月額平均28,300円)
になりました。
❶のZEH基準で建てた家と❷の断熱等級4で建てた家との差額は44,091円(月額平均7,348円)、❸の一般住宅との差額は71,847円(月額平均11,974円)になります。
❷の断熱等級4で建てた家と❸の一般住宅との差額は27,756円(月額平均4,626円)と、こちらも大きな節約になりそうです。
尚、この性能の家では全館空調のような建物全体を暖めることは少なく、各部屋で間欠運転を行うと思われますので、おおよその目安としてお考え下さい。
メンテナンス時期と費用
こちらも詳細は過去のコラムと併せてご覧頂きたいのですが、建物のメンテナンスは一般的に10年~15年に一度必要になります。お子様が小学校に入る前に家を買いたいという方が多くいらっしゃいますが、小学校に上がる前に家を買った場合、お子様の進学時期と重なります。
お子様が小学校へ上がるタイミングで家を買った場合、建物のメンテナンスが必要な時期とお子様の高校入学若しくは大学進学と重なりますので、教育資金以外にメンテナンス費用を計画的に貯蓄する必要があります。
メンテナンス費用は築10年~15年の間に約240万円、35年間で約480万円ほどになります。教育資金にしかお金が廻らないからメンテナンスを先延ばしすると、建物の劣化が早まります。
まとめ
家買うとき、外観や内装がオシャレ、設備もハイグレード、リビングに吹き抜けがあって開放感がある!などなど目に見えるポイントに目が向いてしまいがちですが、建物の性能もとても重要だと分かって頂けましたでしょうか。
住宅は家電製品や車などと違ってスペックが統一されていない為、どうしても見た目で判断しがちになりますが、買おうとしている家の性能に目を向けてみませんか?高級感のある設備が入った家と、命を守る耐震性と健康寿命を延ばす断熱性能の高い家、どちらの資産価値が高いと思いますか?