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中古一戸建ての売却時に建物状況調査はするべき?

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カテゴリ:不動産売却

建物状況調査報告書

2023年10月19投稿
2024年12月2日更新
建物状況調査の重要性とは?
中古住宅の売買の際には、仲介不動産会社は宅建業法に従って、媒介契約書面、重要事項説明書や売買契約書に「建物状況調査(インスペクション)を実施する者のあっせんの有無」について記載しなければなりません。今回は、この調査が売却にどのような影響を与えるのかをわかりやすく解説します。
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建物状況調査とは?

建物状況調査報告書

「建物状況調査」とは、国土交通省の定める講習を修了した建築士が行う建物の検査です。具体的には以下のような部分を対象に検査を行います。
建物の構造耐力上主要な部分(基礎や柱など)
・雨水の浸入を防止する部分(屋根や外壁など)
調査では、ひび割れや雨漏りなどの劣化・不具合を確認し、報告書としてまとめられます。

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「建物状況調査」を実際に行うかどうかは売主の判断になり、購入希望者が調査を希望しても売主の許可がなければ行うことはできません。一部の売主においては、買主が希望すれば買主の費用負担で「建物状況調査」を行うことを許可するという方法を取っていますが、弊社が一戸建ての売却の依頼を受ける際には、原則、媒介契約締結と同時に売主の費用負担にて「建物状況調査」を行っていただいております。

売主が建物状況調査を行うメリット

1. 引渡し後のトラブル回避
売却後に雨漏りや構造の劣化が見つかった場合、売主が責任を負うケースがあります。事前に調査を行うことで、こうしたトラブルを未然に防ぐことが可能です

2. 購入者の安心感を提供 
購入希望者に建物状況調査報告書を提示することで、建物の状態に対する不安を軽減し、購入を後押しします。また、近隣競合物件との差別化ができます。 

  3. 売却スピードと価格の向上 
建物の状態が明確になることで、早期売却や高値での売却が期待できます。

デメリットも確認しておきましょう

1.費用負担
調査費用は3万~10万円程度かかります。 

2.購入者への説明義務
不具合が見つかった場合、その内容を購入者に伝える必要があります。

3.不具合発見のリスク
不具合が見つかった場合、補修費用の負担若しくは売買代金減額の可能性があります。

実際のケース:築10年の一戸建ての建物状況調査の結果

私が数年前に売却した築10年の一戸建ての状況調査は、外壁サイディングのシーリング材に劣化があるということで、外壁シーリング材の打ち替えを行わないと「既存住宅瑕疵保証」には加入できないという結果でした。
限定されたスタイルの表
検査種別総合判定
建物状況調査劣化事象等あり
給排水管路検査劣化事象等なし
既存住宅瑕疵保証申込み不可(調査時点)
基礎、柱や床などの構造部分については特に問題はありませんでしたが、外壁サイディングのシーリングが紫外線によりヘコミや一部切れている箇所が見つかりました。

築10年の外壁シーリングの劣化

シーリング材が切れています。


築10年の外壁シーリングの劣化

サッシ上端部分のシーリングにヒビが入っています。

旧宅を購入された方には契約前に調査報告書をお渡しし、外壁全部のシーリング材を打ち替えないと瑕疵保険には加入できないこと、こちらでは打ち替えを行わないので、この販売価格にしていると伝えたうえでご購入いただいております。

建物状況調査が行えない場合は?

建物状況調査を実施しない物件も存在します。築1年の一戸建てでも「契約不適合責任免責」として売り出されているケースもあったりします。この場合、引渡し後に不具合が発見されても売主が責任を負わないことになります。購入希望者にとってはリスクが高いため、調査が行えない物件は慎重に検討する必要があります。

築1年なのに「契約不適合免責」って、売主側の仲介会社の知識不足で売主への説明が足りないのか、横着しているだけなのか、売主に特別な事情があるか分かりませんが、何か不具合があって隠し事があるのではないかと勘繰ってしまうので、「建物状況調査」を行えないのであれば、弊社のお客様がこの家欲しいと思ってもオススメしませんね。

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そんなこといっても、人気の小学校の学区域で希少性の高い一戸建てだからどうしても欲しいという方には、売主側の不動産会社名伝えるので直接お問い合わせしてくださいと伝えちゃいます。

こんな営業スタイルなので、新着・未公開情報だけ欲しいというお客様は他社に行ってしまうのが切ないですけど、弊社の営業スタイルを信頼してくれるお客様も多くおられるので、このままのスタイルで頑張ります。

建物状況調査は購入検討者の安心につながる

「建物状況調査」を行った結果、不具合が見つかると売りにくくなりそう、補修費用分の値下げ交渉があるかもという点で心配になるかもしれませんが、購入検討者側にとっては、事前に補修しなければいけない箇所や費用感が分かる方が安心材料になります。
※「建物状況調査」の結果に問題がなかったとしても、全く不具合がないということではありません。

まとめ

新築一戸建てやマンションの価格高騰により、新築は予算的に厳しいから中古一戸建てを探している方も増えてきた印象です。こうした中で建物状況調査を行うことは、売主・買主双方にとってメリットが大きいと思います。

近隣にある競合物件と比べて築年数は古いけど、「建物状況調査」を行うことで、購入検討者の安心に繋がり、結果的に早く、高く売却できるものと考えます。

今日のところはこの辺で。
では、また次回のブログでお会いしましょう。



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山本 亮

住宅の設計、施工管理、建売用土地仕入れを経験した住宅のプロの目線で、お客様のお住まい探しをお手伝いさせて頂きます。また、10年間一戸建てに居住し、現在はマンションに居住しておりますので、一戸建て・マンションそれぞれの良い点、悪い点など実際に住んでみて分かることなどもお伝えします。 私は代表者ですので、無責任な仕事は致しません!お一人お一人のお客様の為に責任をもって対応させて頂きます。

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