リンク付きアコーディオンリスト
タグ一覧
不動産営業スタッフに「この家は、新耐震基準だから大丈夫、安心して買ってください。住宅ローン控除も受けられますよ」と言われて、そのまま信じてしまう人は、今では少ないと思います。
1981年6月以降に建てられた建物は“新耐震基準”と呼びますが、その後2000年に建築基準法の改正(いわゆる2000年基準)により、木造住宅の耐震性能はさらに強化されました。
つまり、1981年6月〜2000年5月に建てられた木造住宅は、「新耐震基準」ではあっても、現行基準より耐震性が劣る可能性があるのです。
2016年熊本地震と2024年能登半島地震でも判明した「耐震格差」
2016年4月の熊本地震では、1981年〜2000年に建てられた新耐震基準の木造住宅でも、多くの被害が確認されました。
注目すべきは、倒壊・大破の割合が18.4%、無被害の住宅は20.4%しかない点です。
倒壊した建物の多くは、接合金物の不足や釘の長さが足りないなど、施工精度の問題が要因とされています。
2024年の能登半島地震でも、倒壊した家屋の多くが木造建築物で、特に旧耐震・2000年基準前の建物に被害が集中しました。
倒壊・大破の割合が16.9%、無被害の住宅は26.5%しかありませんでした。
つまり、熊本地震・能登地震の被害状況が示すとおり、「新耐震基準だから安心」とは言えないということがお分かりいただけたかと思います。
2000年前の新耐震住宅も“耐震補強助成金の対象”
2000年基準前の新耐震住宅は、自治体によって耐震補強工事の助成金が交付される対象になっています。
板橋区では、1981年6月〜2000年5月に建てられた新耐震住宅でも、「耐震診断の結果、現行基準を満たさない」と判断されれば、補強費用に最大160万円の助成金が出ます。
▼併せて読んでほしい記事▼
売却する側の注意点
売却する側の注意点
① 築年数だけで価値を判断しない。
売却する家が1999年築だとすると、まだ築26年ですので、「建物にも十分価値があるから、土地に建物分の金額を上乗せして売りたい」と考える方も多いと思います。
所有者自身で簡易チェックができるリストが日本建築防災協会で発行されています。
▼木造住宅の耐震性能チェック▼
しかし、建物の状況によっては、無価値とみなされるケースもあります。また、耐震補強費や解体費用がかかる分だけ価格が下がることもあるため、「築年数=価値」ではない点に注意が必要です。
② 思い入れのある家を“生かして売る”選択肢も。
長年住み続けた家には思い入れがあります。「解体して土地で売るのは惜しい」と感じる場合は、耐震診断や耐震補強を実施して、中古住宅として販売する方法もあります。
購入する側の注意点
① 「新耐震=安心」ではない。
新耐震でも、2000年以前の木造は接合部や耐力壁配置にばらつきがあります。熊本地震や能登地震では、この年代の家でも倒壊が多く発生しました。
② 耐震診断・補強を前提に検討する。
購入前に耐震診断を受けるには、売主様の許可が必要ですので、購入後に耐震診断&補強工事を実施する前提で検討する方法もありですね。
③ 補助金を活用して安全性を高める。
自治体によっては、耐震診断や補強工事について補助金が受けられることが多いです。購入後になりますが、リフォームと同時施工すれば、費用を抑えて安全性を向上できます。
④ 【税制メリット】住宅ローン控除の対象
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、「新耐震基準(1981年6月以降)」で建築された住宅であれば原則対象になります。
おわりに
熊本地震と能登地震の被害状況で分かるように、「新耐震だから安心」もっといえば「建築基準法を守っているから安心」とは言えません。
▼併せて読んでほしい記事▼
また、不動産会社は、2000年基準未満であることを重要事項説明で説明する義務はありません。
2000年基準前の建物であること」は、重要事項説明の範囲ではありませんが、弊社が仲介する場合は、建築年と構造上の留意点を正直に伝えます。
1981〜2000年築の木造住宅は、現行基準より耐震性が劣る可能性があるため、行政が助成金を出す対象にもなっています。
だからこそ、診断・補強・情報開示をしっかり行えば、この年代の家でも“安心して住める・売れる”住宅に生まれ変わる可能性があります。
では、また次回のブログでお会いしましょう。
タグ一覧
ご質問やご相談などお気軽にご連絡ください。お名前とメールアドレスだけでお問い合わせできます。