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定期購読している『建築知識ビルダーズ』、『日経アーキテクチュア』、今月号はどちらも「夏型結露」について特集していました。それだけ、「夏型結露」の問題が住宅業界で大きな関心を集めているということです。
私のブログでも以前取り上げたことがありますが、ここ数年の猛暑によって夏型結露リスクはますます高まっているそうです。
結露というと冬の窓ガラスを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、夏型結露も住宅に深刻なダメージを与えることがあります。放っておくとカビや木材の劣化を招き、家の寿命を縮める原因になるのです。
今回は、なぜ夏型結露のリスクが高まっているのか、どのような場所で発生しやすいのか、家を買うときに注意してほしい点を解説します。
露点温度上昇が結露リスクを拡大
夏型結露が増加している要因の一つが、外気の「露点温度」の上昇です。露点温度とは、空気が冷やされて水蒸気が水滴に変わるときの温度を指します。
『日経アーキテクチュア』によると、2024年8月の東京の月平均露点温度は24.9℃で、2000年と比較して2.9℃も上昇しました。
24.9℃なんて冷房の設定温度を少し下げるだけで簡単に達してしまう温度ですので、これまでの設計や施工方法では結露を防ぎきれなくなっている可能性があります
見えない場所でのカビ発生 – 床下や配管周り
夏型結露は、高温多湿の外気が建物内の冷えた部分に触れることで発生します。特に注意が必要なのが、床下や壁の内部といった目に見えない場所での発生です。
一般的な建売住宅は第3種換気になり室内は負圧になりますが、負圧によって、配管や配線の隙間から湿った外気が家の中に引っ張られ、床下や壁体内の冷たい箇所で結露を発生させます。
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事例では、キッチン換気扇の運転で、室内が負圧になりシンク下の配管すき間から床下の湿った空気が侵入し、キッチンキャビネット内部で結露していました。
通気層の閉塞と建材の劣化による結露
結露の発生リスクを高める要因として、外壁面の雨掛かりの増大、外装材の吸水量や通気層への雨水の浸入が挙げられます。
具体的には、外壁のシーリング切れやクラック(ひび割れ)といった経年劣化、または維持管理の不備が原因で雨水が浸入し、建材が水分を吸収して水蒸気を放出することがあります。
また、外壁の通気層が適切に機能していない(ふさがれている)ことも大きな問題です。通気層が閉塞していると、建材から放出された水蒸気が壁体内に滞留し、冷房で冷えた室内側の表面で結露を引き起こします。断熱材が水分を吸収し、その水分が冷えた内装材に触れて結露するといった事例も報告されています。
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夏型結露から家を守るための対策
夏型結露のトラブルを防ぐためには、設計段階から施工、そして日々の住まい方などの対策が必要です。
建築中の雨養生
結露を防ぐために、建築中は木材が雨に濡れないよう雨養生をしっかり行い、万一濡れてしまった場合は部材を十分に乾燥させる必要がありますが、雨養生を行っている建売住宅は多くありません。
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通気層の適切な設計と確保
屋根や外壁などの「通気層」は、湿気を排出する重要な役割を担います。湿った空気がスムーズに流れるように、入口と出口をしっかりと設け、住宅全体を囲うように連続させることが重要です。
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雨掛かりを減らすデザインとメンテナンス
軒の出を大きくするなどして、外壁への雨掛かりを減らすデザインが重要ですが、都心部においては、敷地に限りがあり軒ゼロ住宅を多く見かけます。そのため、外装材の吸水や通気層への雨水浸入を抑えるために、定期的なメンテナンス(シーリングの点検・補修など)が必要になります。
床下・外壁の配管周りの気密処理
床下や外壁の配管、電線などの貫通部は、隙間なく気密処理を行うことが重要です。雨漏り対策として壁面の処理はしっかり施されている物件は多いですが、床面の配管については防湿気密処理を行っているケースは少ないです。
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エアコンの適切な運用
エアコンの冷気が壁などを直接冷やしすぎると結露の原因となることがあります。冷風を壁面に直接当てるのではなく、開放空間に向けて自然な空気の流れを利用するよう心がけましょう。
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まとめ
温暖化や住まい方の変化により、夏型結露のリスクは高まっています。目に見えない場所で結露によりカビや木材の不朽が進行し、建物の寿命を縮める可能性があるため、設計者、施工者はもちろん、住まい手もその脅威と対策について正しく理解することが重要です。
快適で健康的な住まいを手に入れるために、建売住宅の購入を検討されている方は、施工途中をしっかり見学することが重要です。
では、また次回のブログでお会いしましょう。
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