先日、屋根点検の際にお伺いしたお客様とのお話を基に、24時間換気システムの基本的な仕組みと正しい使用方法についてご説明いたします。多くの建売住宅で採用されている第3種換気方式は、室内の空気環境を健康的に保つためのシステムですが、その効果を発揮するためには、正しい使い方が不可欠です。
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第3種換気とは?
第3種換気方式は、2つの基本的な仕組みによって室内の空気を入れ替えています。
給気(新鮮な外気の取り込み)
各室やキッチン横に設置された給気口から、自然の力で外の新鮮な外気を取り入れます。
排気(汚れた空気の排出)
トイレや洗面室に設置された換気扇が、室内の汚れた空気を外へ排出します。
24時間換気により、汚れた空気や不快な臭いも効率よく除去されますので、室内の空気が常にリフレッシュされます。
正しい使い方:給気口は常に「開放」するのが基本
給気口は、新鮮な空気を取り入れるための重要な窓口です。以下の理由から、給気口は基本的に開けた状態で使用することが推奨されます。
新鮮な空気の取り込み
給気口を開放することで、室内に新鮮な外気が供給されます。これにより、室内の二酸化炭素濃度が低下し、快適な生活環境が保たれます。
換気効率の向上
給気口が開いていると、換気扇が効率よく汚れた空気を排出し、自然な空気の流れが確立されます。逆に、給気口を閉じてしまうと、壁や天井などのすき間から外気が侵入するため、新鮮な空気が入りにくくなります。
キッチン換気と専用給気口の連動
特にキッチンでは、調理中に発生する油煙や臭いを効率的に除去するために、専用の給気口が設けられています。キッチン換気扇使用時には、キッチン付近に設けられた専用給気口も必ず開放する必要があります。
専用給気口の重要性
効率的な油煙の除去
給気口から取り入れられた新鮮な外気が、キッチン内の油煙や臭いと混ざり合い、効率的に換気扇へと導かれます。これにより、室内の空気が清浄に保たれ、快適な調理環境が実現します。
空気の逆流防止
給気口を閉じたままキッチン換気扇を作動させると、外気が別の隙間から侵入し、空気の流れが乱れる可能性があります。場合によっては、トイレや洗面室の換気扇から逆流するリスクも考えられます。
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定期的なフィルター清掃の重要性
換気システムに搭載されているフィルターは、ホコリや微細な汚れがたまりやすく、これが詰まると換気効率が大幅に低下してしまいます。
フィルターをこまめに清掃することで、常に最適な風量と空気の流れが維持されます。これにより、換気扇の性能が低下せず、システム全体がスムーズに機能します。
まとめ
24時間換気システムは、定期的に新鮮な空気が供給されることで、室内にこもりがちな二酸化炭素やホルムアルデヒドなどの有害物質の濃度が低く保たつためのものです。また、常に新鮮な空気が流れることで、室内の湿度が適切に調整され、カビやダニの発生リスクも低減されます。
その効果を最大限に発揮するためには、以下のポイントを再確認しましょう。
給気口は常に開放すること
新鮮な外気がしっかりと供給され、室内の環境が健全に保たれます。
キッチン換気扇使用時は専用給気口も必ず開けること
効率的な油煙除去と空気の逆流防止のため、専用給気口の役割は非常に重要です。
フィルターのこまめな清掃を行うこと
換気システムのフィルターには、ホコリや微細な汚れが溜まりやすく、フィルターが詰まると換気効率が大幅に低下します。定期的にフィルターを清掃することで、常に最適な風量と空気の流れを維持し、システムの性能を最大限に発揮させることができます。
建物の完成立会時には、キズや汚れのチェックだけで済み、このような換気システムの正しい運用に関する説明を行わなっていない分譲会社もあるかもしれません。また、説明を聞いても忘れてしまう方も多いかもしれませんので、住まい方もしっかり確認した上で、快適な環境作りに努めていただければと思います。
では、また次回のブログでお会いしましょう。
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