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長持ちする家買いたいなら、壁と屋根の通気を確認しましょう

カテゴリ:こんな建売はオススメしません
今回は、家の耐久性に大きく関わる外壁と屋根の”通気層”について解説します。

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現在の新築住宅では、外壁がサイディングの場合、一般的に外壁通気構法を採用されており、小屋裏換気(下のイラスト左側)が設けられています。

外壁通気構法・小屋裏換気・屋根通気の重要性

天井断熱(イラストの左側)の場合は小屋裏換気が、屋根断熱(イラストの右側)の場合は通気層が設けられ、室内からの湿気を外部へ排出します。これによって、結露やカビの発生を防ぎ、家を長持ちさせる効果があります。
外壁通気、屋根通気のイラスト
玄関ポーチの上や屋根の軒先に専用部材を使っている事例です。
外壁通気 小屋裏換気の給気孔

入口はあるけど出口がない家が多い!

販売チラシや建築図面に「外壁通気構法」と記載されていても、必ずしも安心できません。なぜなら、入口はあっても出口がないケースが多いのです。

寄棟の場合、外壁4面ともに外壁の通気層と屋根の通気層がつながっていることが多いのですが、切妻屋根や片流れ屋根では、桁側(下のイラストの側面側)は通気層があるものの、妻側(イラストの正面側)は出口が設けられていないケースが多くあります。
寄棟、切妻屋根の通気層 片流れ、切妻屋根の通気層

寄棟の家なら少し安心?

寄棟屋根の場合、軒先に専用部材を使用して通気孔が設けられていることが多く、入口と出口が確保されているケースが多いです。ただし、複雑な平面の場合、換気量が不足していることもあるので注意が必要です。

軒先換気


要注意!切妻屋根や片流れ屋根の妻側

切妻屋根や片流れ屋根では、妻側の通気層の入口はあっても出口が塞がれていることが多く、結露やカビが発生するリスクが高まります。

通気層が塞がっている


結露が原因で室内にカビが発生した事例が”日経ホームビルダー「通気層が招いた湿度100%」”に取り上げられていますので、併せてご覧ください。

下のイラストのように妻側にも専用部材を使用して出口を設けることによって通気がしっかり確保できます。
トーコー妻通気 イラスト トーコー 妻通気施工写真

※TOKO社サイトから引用 軒ゼロ用妻側通気見切


寄棟の屋根断熱にも注意が必要

寄棟屋根でも、ロフトがある家や、北側斜線の影響で天井が斜めになっている家も通気層が十分に確保されていないことがあります。

寄棟の屋根断熱、2種高度

上記2件のような外観の家は”屋根断熱”になっていることが多く、通気が確保されていないケースが多くあります。特に寄棟(イラストの左側)で屋根断熱の場合、通気層の確保が難しく、家の寿命に影響を及ぼす可能性が高いので、長持ちする家を買いたいのであれば、選ばない方が無難です。

通気層がない家で結露してしまった事例です。
日経ホームビルダー「通気がないと築2年でも腐朽

寄棟の屋根断熱は通気だけではなく、断熱欠損も生じている可能性が高くなります。

寄棟断熱のサーモ

断熱材が入れやすいSp2の温度は16℃、隅木廻りのSp1は20.1℃、Sp3は22.3℃と表面温度に6℃~8℃の差がありますので、ほぼ間違いなく断熱欠損が生じていると思われます。

屋根通気層を確保する方法

屋根断熱の場合でも、屋根下地と断熱材との間に通気層を設けたり、専用部材を使用することで、しっかりとした通気層を確保することが可能です。

屋根断熱通気層

こちらの家は板状の断熱材を使用しており、屋根下地と断熱材との間に3cmの通気層を設けています。

屋根断熱通気部材① 屋根断熱通気部材②
上記2枚の写真は、断熱材で通気層が潰れないように使用する専用部材です。

まとめ

小屋裏換気や通気層は、建築基準法で義務付けられているものではありません。また、フラット35の技術基準でも、小屋裏換気の定めはありますが、3階建てなどの準耐火建築物においては義務ではありません。

しかし、家の寿命や耐久性を考える上で、小屋裏換気や通気層の確保は非常に重要だと考えます。
長持ちする家を手に入れるためにも、外壁や屋根の通気をしっかりと確認することをお勧めします。

最後に、大手ハウスメーカーの建売だから安心とか大丈夫とかはありません。大手ハウスメーカーの家でも通気が取れていない家もありますので、ご注意ください!

では、また次回のブログでお会いしましょう。

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山本 亮

住宅の設計、施工管理、建売用土地仕入れを経験した住宅のプロの目線で、お客様のお住まい探しをお手伝いさせて頂きます。また、10年前に新築一戸建てを購入し、現在はマンションに居住しておりますので、一戸建て・マンションそれぞれの良い点、悪い点など実際に住んでみて分かることなどもお伝えします。 私は代表者ですので、無責任な仕事は致しません!お一人お一人のお客様の為に責任をもって対応させて頂きます。

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