2022年5月14日投稿
2024年9月9日更新
揺れやすさマップ(地盤増幅率)について解説
本日は、板橋区内の「地盤のゆれやすさマップ(地盤増幅率)」について詳しくご紹介します。この情報は、地震時の建物の安全性を確認する上で重要ですので、ぜひご参考にしてください。
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地震の被害は地盤の揺れやすさにも影響する
地震が発生した際、建物の揺れ方は耐震性能だけでなく、地盤の特性にも大きく影響されます。過去に起きた大地震の被災地を調査すると、「数軒離れただけ、または道路1本を挟んで家屋被害の状況が大きく違う」、「場所によっては新築や築浅の住宅でも大きな被害を受けている」住宅も多くみられたようです。この違いは、住宅の耐震性能だけでなく、地盤の揺れやすさも要因の一つです。
地盤の影響とは、地震が発生した際に、揺れやすい地盤(軟弱地盤)と揺れにくい地盤(硬い地盤)があり、揺れの大きさにより被害の大きさも変わることがあります。
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一般的なSWS試験では揺れやすさは分からない
木造一戸建ての建築時に一般的に行われる地盤調査方法であるSWS試験(スクリューウェイト貫入試験)は、建物を建てても沈下しないかどうかを調べるための調査であり、地震時の地盤の揺れやすさについては別の調査が必要です。
地盤の揺れやすさを示す「地盤増幅率」マップで、およその傾向を調べることができます。J-SHISマップ→表層地盤のタブを選択してください。
この「地盤増幅率」は地震時の地盤の揺れやすさの目安になり、1.0以下は揺れにくく、2.0以上は揺れやすくなりますが、23区内で1.0以下という場所はなく、1.0~1.2でも皇居周辺や一部の地域にしかなさそうです。
なお、地盤増幅率が2.0と1.0とでは、2.0の方が地震の揺れの大きさが2倍になります。
板橋区内では台地側の揺れにくい場所でも1.2~1.4、新河岸川や荒川周辺になると2.0を超える場所もあります。ただし、実際の地盤は様々な地盤が入り乱れるようになっていることもあり、地盤の状況によって異なりますので、揺れやすさマップは目安として活用ください。
地盤の揺れやすさマップは、目安としてみる時には便利ですが、宅地ごとの地盤の揺れやすさを評価する精度はありませんので、宅地ごとに揺れやすさを調べることができる「微動探査」という調査方法があります。
微動探査は、写真にある機械を使用し、調査地ピンポイントでの地震時の宅地の揺れやすさ、地震増幅率を調べることができます。 地盤増幅率が大きいほど揺れやすくなりますので、地震増幅率が高い宅地ほど建物の耐震性能を上げることが大切です。
土地を購入し、注文住宅を建てようと思っている方は「SWS試験」と併せて「微動探査」を行うことことで、より安心して家造りを進めることができそうです。
では、また次回のブログでお会いしましょう。
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