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「土地を買って、理想の家を建てたい!」、私もできる限り土地探しからお手伝いし、高性能な家づくりを実現していただきたいと考えていますが、実際に資金繰りを考えると、思った以上にシビアだったりします。
土地+注文住宅の購入、意外と“お金の動き”が複雑
注文住宅の場合、工務店やハウスメーカーにより、工事請負契約時の手付金以外にも着工時の中間金、上棟時の中間金などの支払いがあり、住宅ローンが実行される前に大きな支払いが発生します。
住宅ローンは、基本的に建物完成時に融資の実行がされるため、土地残金支払いや建物中間金支払い時の「つなぎ資金」をどう確保するかが大きなポイントになります。
建築条件付き売地なら、資金面で少しラクになるケースも
「建築条件付き売地」の場合、土地の売主と建物の請負業者が同じグループであるケースも多く、その場合は次のようなメリットがあります。
・土地・建物それぞれの手付金を抑えられることが多い。
・建物の中間金が不要となることも多い。
つまり、自己資金の出費を最小限に抑えやすいのが特徴です。
条件付きでない土地の場合は、支払いが段階的に発生
一方、建築条件のない土地を購入して、別の工務店やハウスメーカーで建てる場合は、次のような支払いが一般的です。
| 支払い項目 |
タイミング |
金額の目安 |
| 土地の手付金 |
売買契約時 |
土地価格の約5% |
| 建物の手付金 |
請負契約時 |
請負金額の約5% |
| 建物の中間金(着工時) |
工事開始時 |
約30% |
| 建物の中間金(上棟時) |
構造体完成時 |
約30% |
| 残金 |
建物完成・引渡し時 |
約35% |
たとえば、
土地5,000万円+建物3,500万円=総額8,500万円のケースでは、建物中間金だけで約2,100万円の支払いが発生します。
メガバンクは土地は分割融資、建物中間金が出ないことも
メガバンクの住宅ローンは、土地購入資金は住宅ローンの「分割融資」ができますので、土地代については住宅ローンの一部を先に実行してもらえるので安心です。
しかし、建物の中間金は、提携ハウスメーカー以外では融資対象外となるケースもあります。
その場合、自己資金で用意する必要があります。
ネット銀行は建物完成時一括融資が多い
ネット銀行の住宅ローンは、建物完成時の一括融資になることが一般的です。
そのため、土地の購入代金や建物の中間金などの支払いは、自己資金もしくはノンバンク系の金融機関から「つなぎ融資」を受ける必要があります。
土地分のみ自行のつなぎ融資を受けられる銀行もあります。
実際に試算してみると…利息負担が大きく変わる!
たとえば、土地:5,000万円+建物:3,500万円で、建物中間金:30%(=1,050万円)という前提で比較してみましょう。
※利息は「借入額×金利÷12」で算出しています。
| 融資パターン |
金利 |
毎月利息の目安 |
建物完成までの毎月負担 |
メガバンク 分割融資 |
年0.875% |
土地:約3.6万円+ 中間金:約0.8万円 |
約4.2万円/月 |
ノンバンク系など つなぎ融資 |
年3.0% |
土地:約12.5万円+ 中間金:約2.6万円 |
約15.1万円/月 |
土地はネット銀行 建物はノンバンク |
土地:年0.875% 建物:年3.0% |
土地:約3.6万円+ 中間金:約2.6万円 |
約6.2万円/月 |
※計算式:5,000万円 × 0.875% ÷ 12 ≒ 3.6万円/月、1,050万円 × 3.0% ÷ 12 ≒ 2.6万円/月
家賃とのダブル負担も大きな壁に
多くの方は、建物完成までは現在の住まいに住み続けるため、「家賃+つなぎ融資の利息」の二重支払いが発生します。
・家賃:月12万円
・つなぎ融資利息:約4〜15万円
このように、建物完成までの半年間で家賃と合わせて約96〜162万円の支出になります。
「理想の家を建てたい」と思っても、資金繰りの準備が不十分だと計画が止まってしまうこともあるのです。
まとめ:土地+注文住宅の資金計画は、早めの相談がカギ
土地購入と建物請負が別会社になる場合、住宅ローンの実行タイミングがズレることを理解しておくことが大切です。
土地+注文住宅を検討する場合は
・土地分割融資の可否
・中間金の分割融資の可否
・つなぎ融資の利用条件
を事前に確認しておきましょう。
最初の段階で不動産会社や工務店、金融機関に相談しながら、無理のない計画を立てていくことが重要です。
では、また次回のブログでお会いしましょう。
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