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仲宿商店街沿いに売地がでていますが、この土地は都市計画道路内に位置しており、3階建て以下で木造・鉄骨造・コンクリートブロック造しか建築することができません。
※都市計画道路内で建築する際、原則では2階建て以下の木造・鉄骨造・コンクリートブロック造しか建てることができません。
実はこの道路計画、当社事務所の真横を通る予定なんです。昭和39年(1964年)に「計画決定」された道路で、もう60年以上も経っています。でも、都市計画図にはしっかりと都市計画道路予定線が引かれています。
このように、都市計画道路には「決まってはいるけれど、いつまで経っても工事が始まらない」、いわゆる“幽霊計画”と呼ばれるものも少なくありません。
だからといって油断は禁物です。この道路は、数年前に拡幅した帝京大学病院前の道路の延長線上にあたるため、将来的には拡幅や整備が動き出す可能性もあるのです。
もし、あなたが購入を検討している土地や建物が「都市計画道路にかかっている」としたら、それは“いつか道路になるかもしれない土地”ということ。
今回は、そんな道路計画がある不動産を購入するときの注意点を解説します。
都市計画道路とは?
都市計画道路とは、将来の交通網整備のために都市計画として定められた道路のことです。この計画には大きく分けて、「計画決定」と「事業決定」の2段階があります。
計画決定とは
都市計画法に基づいて「この場所に将来道路をつくる予定です」と定められた段階です。いわば「構想段階」であり、まだ事業化(工事や買収)は行われません。
ただし、優先整備路線に指定されている場合は、近い将来に事業決定される可能性が高くなります。優先整備路線は、およそ10年ごとに整備方針が見直しされる仕組みになっています。
※令和8年度に第五次事業化計画が決定する見込みです。
事業決定とは
計画決定された道路のうち、実際に整備を進める段階に入ったものを指します。行政が「この区間を●年までに整備します」と定め、土地の買収や工事が始まります。
この段階になると、都市計画法第65条により建築や土地の形質変更が許可制となり、現実的には新しい建物を建てることが難しくなります。
都市計画道路内の土地の買収金額について
都市計画道路にかかる土地が買収対象となった場合、「周辺の正常な取引事例価格」などをもとに評価されます。そのため、極端に安い金額で買い叩かれることは通常ありません。
しかし、本当の問題は“そのあと”にあります。
敷地の一部しか計画道路に入らない場合
敷地の一部だけが都市計画道路にかかっているケースもあります。この場合、かかっている部分だけが将来的に買収対象となりますが、残りの土地や建物の使い方には注意が必要です。
たとえば
・道路にかかる部分だけ建物を一部取り壊す必要が出ることがあります。
・建物を部分的に除却する際は、構造上の補強や補修工事が必要になる場合もあります。
・買収後に残った敷地が狭くなり、新しい建物を建てにくくなるケースも想定されます。
つまり、「全部はかからないから大丈夫」とは言い切れません。一部だけでも都市計画道路にかかる場合は、再建築や補償の取り扱いが複雑になるため注意が必要です。
買収後に困るケース
買収金額が希望額に近くても、「次に買いたい物件が見つからない」、「次の家を買うためのローンが組めない」といった問題が起こることがあります。
・現在の住宅ローンの残債がある場合、売却金額から差し引かれるため手元に残る資金が少ない。
・次の購入では、年齢や収入状況により新たに住宅ローンが組めない可能性がある。
・同じエリアで代替物件が見つからない(特に駅近エリアでは深刻)。
このように、買収で得た資金だけで次の住まいが確保できるかという問題はとても重要です。
実際、私の知り合いにも、”次の家”を買うのに自己資金だけでは足りず、住宅ローンも年齢的に難しいという問題で困っている方がいます。
まとめ
計画道路にかかる土地は”買ってはいけない土地”ではありませんが、将来的な可能性を考えずに購入してしまうと、「住み換えできない」というリスクがあります。
買うときの不動産会社に「この道路は”幽霊計画”だから心配ないですよ~」という言葉を鵜呑みにしてはいけません。
必ず自分で、優先整備路線に指定されていないかを調べることをお勧めします。
家探しは「今の便利さ」だけでなく、「10年後・20年後の暮らし」まで想像して選びましょう。
では、また次回のブログでお会いしましょう。
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