デザイン性を重視した「破風板のないシンプルな屋根」の都市型住宅が増えています。見た目はすっきりしてスタイリッシュですが、実は家の耐久性を左右する大きな“落とし穴”が潜んでいることがあります。
※破風板があるからといって、耐久性が高いとは限りません。
これまでのブログでも何度かお伝えしてきましたが、長持ちする家を選ぶポイントは“通気”の確保です。
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通気層の3つの役割
外壁や屋根の内部にある「通気層」には、次の3つの役割があります。
湿気の排出:壁体内にたまった湿気を外へ逃がす。
二次防水・防風:万一雨水が外壁の内側に侵入しても壁内部には入らない構造。
排熱:夏場にこもる熱気を外へ逃がす。
▲切妻屋根 左は正面から見たもの、右は側面から見たもの
これらの役割を果たすには、通気層の入口で出口が適切に設けられている必要がありますが、”入口”はあっても”出口”のない家が多いんです。下の写真の家は、通気層の出口が塞がれています。
出口が塞がれていると起こるトラブル
通気層の出口が塞がっていると、次のようなトラブルが発生します。
内部結露の発生
太陽熱で高温になった湿気が、夜間の冷え込みで冷やされることで、壁や屋根の内部で水滴(結露)に変わってしまいます。その結果、断熱材が濡れ、木材が腐食するリスクがあります。
外壁材の劣化や汚れ
通気が取れず乾きにくいと、外壁が常に湿った状態になり、コケやホコリの付着・塗膜の劣化が進みやすくなります。見た目にも汚れが目立ち、メンテナンスサイクルが早まる原因になります。
滝野川4丁目の住宅はしっかり通気金物が設置されていました
現在、私が売却を担当している滝野川4丁目の一戸建てには、けらば側(屋根の端部)に通気金物がしっかり設置されています。実際の写真です。
目視だとすぐに確認できますが、写真では少し分かりづらいかもしれません。
露出やコントラストを調整して拡大してみます。
けらば側(屋根の端部)にも通気金物がしっかり設置されています。
通気層が機能している家は“長持ち”します。
屋根のけらばや軒先に設けられる通気金物は、外壁や屋根の内部にこもる湿気や熱気を外へ逃がすための「出口」です。これがあることで、屋根裏や壁内の湿度上昇を防ぎ、構造材や断熱材の劣化を遅らせることができます。
まとめ:デザインよりも“見えない性能”が大切
最近の家づくりではデザインや間取りが重視されがちですが、本当に長持ちする家かどうかは「見えない部分」で決まります。
特に「通気層の出口があるかどうか」は、耐久性・メンテナンスコストに直結する重要なポイントです。
これから家を探される方は、ぜひ「通気の出口がある家」に注目してみてください。
滝野川4丁目住宅の詳細はこちらからご覧いただけます。
では、また次回のブログでお会いしましょう。
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