みなさんが車を買うとき燃費を気にされると思いますが、家を買うとき、建てるときに家の燃費(光熱費)って気になりませんか?
2050年カーボンニュートラル、2030年に温室効果ガス46%削減に向けて、住宅においても省エネ性能の強化が行われ、3年後の2025年(令和7年)には、全ての建築物に省エネ性能(断熱等性能等級4)の適合義務化、遅くとも2030年までに断熱等級5の義務化を検討しています。
本日現在、小規模な住宅については省エネ性能(燃費)に関する義務化基準はありませんので何でもアリな状況ですが、3年後に初めて省エネ性能の義務化が始まります。
とはいえ、義務化されるレベル(断熱等級4)の省エネ性能は決して高くはなく、等級4適合の家を買っても「この家暖かいね~」というレベルの満足感は得られないと思います。
木造賃貸アパートと比べると性能は高いので、暖かく感じる方もおられるかもしれませんが、等級4すら満たしていない住宅を買ってしまうと悲劇でしかありません。
注文住宅においては、契約時に省エネ性能に関する説明が義務化されていますので、等級4未満の家ってそんなに多くはないのですが、建売住宅に限っては説明の義務すらありませんので、売る方も買う方も知ってか知らずか今もバンバン売られています。
上記の会議において、SUUMO編集長の池本氏によるプレゼン資料に興味深いものがありました。
10代、20代の若い世代ほど断熱性能の高い家(実家)に住んでいた経験があるので今の賃貸住宅の断熱性に不満がある、40代は断熱性能の低い実家より今の賃貸の方がよいと思っている人が多いそうです。
確かに私(40代)が幼いころに住んでいた家はとても寒く、冬は石油ストーブ、ファンヒーターとコタツが必需品でしたが、わが子(11歳)が今住んでいる我が家は真冬の朝に暖房を入れていない状態でも室温が18℃程度ですので、将来、木造賃貸アパートで一人暮らしを始めたら寒くて不満が出るでしょうね。
また、お部屋を探すときの部屋の重視項目を上げると、1位が間取りが好み、2位が設備がきれい、3位が内装がきれい、断熱性能は7位の順ですが、入居後の要望項目は1位が遮音性能、2位が断熱性能、3位が安全性と入居後に断熱性能の低さが不満になるようです。
※出典:リクルート SUUMO
上記は賃貸契約者によるアンケートですが、売買も同様、特に一戸建てを買った方に対してアンケートを取っても断熱性能についての不満は多いと思われます。
家を買うとき予算、立地、間取りが最優先項目になるのは仕方のないことですが、少しでも性能に目を向けてほしいと思います。
この時期になると、「一戸建てはなぜ寒い」シリーズのブログがよく読まれていますが、買う前にこのブログ見てほしいです!
このアンケート結果は、これから新築賃貸住宅を計画している大家さんにも見て頂きたい内容で、性能の低いアパートを建ててしまうと、暖かい家に住んだことのある若い世代ほどすぐに退去してしまう可能性があります。
3年後には新築アパートも省エネ基準の適合が義務化されますので、今から建築を予定されている大家さんは、最低でも断熱等級4、できれば2030年に義務化予定の等級5レベルの賃貸住宅を建てることをお勧めします。
新築時はすぐに入居者が集まっても、築年が経過するほど競合物件が増えてきます。
特に燃費表示制度が始まると、低性能な賃貸物件は家賃を下げて募集せざるを得なくなり、当初予定していた収入、利回りも確保できなくなる可能性もあります。
過去のブログ「板橋区の空き家事情について」でも触れましたが、板橋区の空き家のうちの約76%は賃貸住宅ですので、よくよく検討されて賃貸住宅を建ててください。
断熱性能の高い家、賃貸住宅に興味が湧いたという方がおられましたら、富士屋不動産までお気軽にご相談ください。