家づくりではつい、設備や水回り、間取りといった「目に見える部分」を気にされる方が多いと思いますが、長く安心して暮らすためには、完成すると隠れてしまう部材の性能が大きく影響します。
そのひとつが、外壁の下地に使われる「透湿防水シート」です。
今日は、いつもランチに行く道の途中にあるM様邸で透湿防水シートの施工が行われていました。足場に防音シートが掛けられており全景は見られませんが、この黒い紙のようなシートがM様邸で使用されている透湿防水シートです。
一般的には、白い透湿防水シートが貼られている家をよく見かけます。20年くらい前までは透湿防水シートといえばタイベックでした。
透湿防水シートはなぜ重要か?
透湿防水シートは、外壁のすき間などから入ってしまった雨水を躯体内に入らないようにする機能と、室内側の湿気を外に逃がす役割があります。
サイディング外壁の場合、外壁の裏側には「通気層」が設けられますが、万一、外壁から水が入り込んだとしても、透湿防水シートがしっかりしていれば室内への浸入は防ぐことができます。
逆に言うと、透湿防水シートが劣化すれば、雨漏りのリスクが上がり、将来的なメンテナンスコストが増加する可能性があります。
実際、寿命がどれくらい違うの?
透湿防水シートの性能は製品によって大きく異なります。
●国内メーカーの普及品:耐久性は20~30年程度。
●10年前後で劣化したケースも報告されています。
●高耐久品:50〜80年相当の耐久試験をクリア。
参考:日経ホームビルダー「JIS適合品で早期劣化した例も」
弊社に、建売住宅やローコスト住宅などで多く使用されている国内メーカーの普及品、タイベック、そしてM様邸で使用されているウルト社「ハイムシールド」のサンプルがありますが、触って比べると厚みや質感の違いがはっきり分かります。
ウルト社のハイムシールドは、80年相当の耐久性能試験を確認しているそうです。
一方で、国内メーカー品は30〜50年相当試験がJISと同等規格と記載がありますが、上の記事ように10年足らずでボロボロになっているケースは多くあるそうです。
建築費が高騰する今こそ「見えない品質」を見てほしい
最近では建売住宅であっても、建物価格が坪100万円近くするケースも珍しくありません。
10年前のように建物価格が坪50万円程度であれば、多少耐久性に差があっても仕方ないと思わなくもないですが、坪100万円近い価格帯になる物件であれば、建売メーカーも耐久性の高い部材選びをしてほしいと思うんですよね。
価格が高いなら設備を豪華にという考えもありますが、交換が比較的簡単な設備より、構造、断熱や防水など後から交換が困難な部材こそ、長く使えるものを選んでほしいです。
特に注文住宅では、建築費の平均が4,760万円という調査データもありますので、耐震性や断熱性能だけでなく、気密、耐久性といった住宅の性能、寿命にかかわる部分もしっかり確認して建ててほしいと思います。
では、また次回のブログでお会いしましょう。