2021年10月 3日投稿
⑮ホントに怖い!!壁の中の結露について②
第十五回目は「壁内結露パート②」のご説明です。前回の壁内結露についての説明は、袋入りグラスウールの施工方法と構造用面材の種類の注意点をお伝えしましたが、今回は外壁材として一般的に使用されているサイディングの通気層についてのお話しです。
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サイディングは横張り、縦張りの2種類がある
サイディング材の張り方は横に倒して張るものと、縦に立てて張るものと2種類があり、デザインに合わせて選びます。また、横張りの場合は、下から順に積み重ねて張る方法、縦張りは横に並べながら張っていきます。
横張りサイディングの通気工法
一般的に使用されているサイディングは、外壁材と壁面との間に通気層を設けており、この通気層は壁内部からの湿気の排出とサイディングの寿命を長くすることが目的です。
写真は横張りサイディングの工法で、サイディング材を打ち付けるための胴縁(木の部分)は縦に入れおり、土台水切り板金(黒い板)とサイディング材(緑)とのすき間から空気が入り、サイディング材と防水シート(白)との間にあるすき間(赤)を通り、上部に抜けていきます。
縦張りサイディングの通気工法
続いて縦張りサイディングの通気工法で、胴縁は横方向に入れます。今回紹介する横張り、縦張りサイディング工法はそれぞれ異なる物件ですが、ともに同じ工務店が施工しています。
縦張りサイディングは横方向に胴縁を打ちこみますので、通気が上部方向へ抜けてにくく、胴縁の施工に工夫が必要です。

横張りサイディングの際には設けていた土台水切り板金(白)とサイディングスタート部材(黒)は胴縁で塞がれていてすき間がないことが分かります。

また、サイディング材メーカーの標準施工法として、横胴縁は2m以下の間隔ですき間を設け、通気を確保するとなっていますが、日経ホームビルダーの実験によると、この間隔では上部へ通気されることはないという報告もあります。
ということは、室内から抜けてきた湿気は通気されることなく、結露して胴縁の上に水として残ってしまい、木を腐らせることになってしまいます。

※写真:日経ホームビルダー 湿気が通気されず、結露水として壁内に残ってしまう。
縦張りサイディングが危ないということではなく、施工方法を間違えてしまうと、長持ちする家にならないということです。
では、どのような工法にすれば通気されるかですが、下記のようにエアホール胴縁(欠き込みをいれた胴縁)や長さも短くするなどの工夫をすれば、上部へ通気されるようになります。

今回、ご紹介した物件を仮に弊社がご案内した場合には、現状をご説明しおそらく購入しない方向に行くことになるでしょうが、他社から購入されてしまうとどうにも出来ないのが残念です。
不動産営業スタッフは建築のプロではありませんので、お客様自ら勉強されるか、建築知識のあるスタッフに家探しを依頼することをオススメします。
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