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不動産売却における囲い込みとそのリスクについて考える

カテゴリ:不動産売却
2024年8月29日の日経新聞の記事「不動産仲介業者の物件『囲い込み』を処分対象に 国交省」によると、不動産業界で依然として問題視されている「囲い込み」について、国土交通省が2025年から厳しい規制を施行することが発表されました。

不動産会社による囲い込みイメージ

※日経新聞より引用


「囲い込み」とは、物件の売却依頼を受けた不動産会社が、他社に物件を紹介せず、自社で買い手を見つけようとする行為です。不動産会社は、この「囲い込み」によって、売主と買主の双方から手数料を得ることができますが、その一方で、物件の売却が遅れたり、適正価格で売れないリスクが高まります。これは、売主様にとっては一切利益がなく、むしろ損失を被る可能性がある非常に問題のある行為です。

最近、当社にも大手不動産会社による囲い込みに悩む方からご相談をいただきました。その方は、大手不動産会社に売却を依頼していたものの、思うように売却が進まず、「囲い込み」されているのではないかと感じておられました。

そこで、他の大手不動産会社にも相談しつつ、地元の当社にもご依頼いただき、訪問査定を予定していました。しかし、訪問を予定していた前日に突然のキャンセルの連絡が入りました。理由を伺ったところ、もう1社の大手不動産会社が、マンション分譲会社の子会社であること、また仲介手数料の値引きや設備保証サービスを受けられるという提案があったからということでした。

冷静に考えればわかることですが、仲介手数料の値引きや設備保証を付帯するということは、仲介会社にとっては利益が減るわけです。利益を確保しようと、他の不動産会社からの買い手を排除し、自社で取引を成立させようとするでしょう。

さらに、この設備保証は売主も買主も同じ大手不動産会社を通じて取引を行った場合、つまり「両手取引」にのみ適用されると書かれています。設備保証は、売主様にとってもお得そうに見えるサービスですが、結果的に最適な価格で売却できるチャンスを逃す可能性があると思いません?


この方は一度「囲い込み」で苦しんでいるのにもかかわらず、再び同じリスクに直面する可能性がありますね。

当社の場合においても設備保証サービスの取り扱いはありますが、保証料は買主様へご負担いただいております。その変わりにあるサービスを提供していますが、このサービスは、非常に手間の掛かることで、買主様にとっては非常に魅力的で、売主様にとっても売却しやすくなるというサービスです。当然ながら、ここで書くわけにはいかない企業秘密です。

こうした囲い込みの問題は、2025年から強化される規制によって是正されることが期待されていますが、業界全体が完全に透明化されるまでには時間がかかるかもしれません。特に、レインズへの虚偽情報の登録や、取引状況の不正表示が確認された場合には、是正や処分が行われる方針です。

売主の皆さまにとって大切なのは、依頼する不動産会社が提供するサービス内容をしっかりと確認し、大手だから安心という先入観にとらわれないことです。複数の選択肢を持ち、しっかりと情報を収集することが、高く早く売却できるという結果につながると思いますよ。

では、また次回のブログでお会いしましょう。

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山本 亮

住宅の設計、施工管理、建売用土地仕入れを経験した住宅のプロの目線で、お客様のお住まい探しをお手伝いさせて頂きます。また、10年前に新築一戸建てを購入し、現在はマンションに居住しておりますので、一戸建て・マンションそれぞれの良い点、悪い点など実際に住んでみて分かることなどもお伝えします。 私は代表者ですので、無責任な仕事は致しません!お一人お一人のお客様の為に責任をもって対応させて頂きます。

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