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今日は、不動産売却と新たに一戸建ての購入を検討されているお客様とのお打ち合わせがありました。実はこのお客様、数年前から当社のブログを読んでくださり、「次に家を買うなら富士屋不動産で」と決めていただいていたとのこと。大変ありがたいことですし、だからこそ中途半端な物件はおススメできないと考えています。
■「図面登録なし」は「囲い込み」の可能性?
今回、お客様が気になっているという中古一戸建ての資料を拝見し、レインズ(不動産流通機構)で検索してみると図面登録がされていませんでした。
図面登録がない場合、その物件が「囲い込み」されている可能性があります。囲い込みとは、不動産仲介業者が自社で買主様と売主様の両方から仲介手数料を貰いたいがために、他社に情報を出さない行為を指します。結果的に、売主様は広く買主を募集できず、買主様は選べる物件が限られてしまうというデメリットが生じるリスクが高くなります。
大手であっても、こうした状況に陥るリスクはゼロではないことをお伝えしました。
本来、不動産会社は売主様から預かった物件を早く高く売るためにできるだけ多くの情報をオープンにして、買主様にも安心して物件を選んでいただける環境を整えることが義務であるはずです。
当社は、売主様にも買主様にも正直な提案をしていきたい。だからこそ、「囲い込み」をしているような不動産会社が扱っている物件は、積極的におススメしたくはありません。
■築年数が経過した一戸建ての要注意
今回お客様が「見たい」とおっしゃっていた物件は、2002年築(築23年)の一戸建てでした。当社としては、以下のような懸念点を踏まえ、安易におすすめはできませんとお伝えしました。
検査済証の有無
2002年築の物件だと、検査済証が未取得の可能性があります。検査済証の有無はリフォームや増改築、将来的な売却時の評価にも影響する場合があります。
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通気層の有無
写真を見る限り、外壁に通気層があるかどうか疑わしく、通気層がないと湿気や結露の問題が起きやすいため家の劣化が早くなるリスクがあります。
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将来的なメンテナンス費用
小さいお子様がおられる場合、これから20年ほどは教育資金がかかります。もし購入後10年経過(築33年)した段階で、大規模修繕やリフォームに100万~200万円が必要になると仮定すると、そのときは当然教育資金を優先したくなるもの。
教育資金との兼ね合いでメンテナンスが先送りにされると、単なる修繕では間に合わず交換が必要になるケースも考えられます。その場合はさらに費用がかさんでしまいます。「安く買えても結局は高くつく」という状況になりかねないのです。
■「不動産屋としては失格」? いえ、正直な姿勢を貫くために
こうしたリスクばかりを伝えると、「物件を見たい」と興味を持ってくださっているお客様の気持ちを削いでいるような、反対してばかりいるように見えるかもしれません。
しかし私どもは、お客様にとって長く安心して快適に住める家を手にしていただきたい、家を買うことがゴールではなくスタートだと考えています。
「いつか家を買うなら富士屋不動産で」と思っていただける方だからこそ、将来に大きな負担となりかねない懸念点がある物件をお勧めしたくない。長い目で見て、お客様自身の暮らしにプラスになるかどうかを常に考え、物件選びをご提案しています。
■当社が大切にしていること
情報開示の徹底
ご売却の場合はレインズへの登録、図面や物件情報の開示をきちんと行い、「囲い込み」はしません。売主様・買主様に正確な情報を提示し、納得のうえでご判断いただける環境を整えています。
お客様の将来を見据えた提案
現在の予算だけでなく、将来的にかかるリフォーム費用や教育費などもトータルで考慮し、長期視点で生活設計をサポートします。
正直なアドバイス
「これを言ったら売れないかもしれない」と思うようなことでも、必要と判断すればお伝えします。安心して住むために、必要な注意点やリスクはしっかり共有したいと思っています。
■まとめ:当社の仲介方針を信頼していただくために
不動産の売買は人生における大きなイベントです。大切なお金を使って購入する物件だからこそ、お客様にとってベストでない物件はオススメしないのが当社のスタンスです。
これからも当社は、お客様が「安心して快適に暮らせる住まい」を得られるよう、一つひとつのご相談に真摯に向き合っていきます。もしご検討中の物件がある方は、お気軽にご相談ください。正直ベースでリスク・メリットをお伝えし、長期的視野で最善のご提案をいたします。
ご質問やご相談などお気軽にご連絡ください。お名前とメールアドレスだけでお問い合わせできます。
住宅設計や施工管理、土地仕入れの経験を活かし、お客様の住まい探しをサポートします。一戸建てとマンションの両方に住んだ経験から、それぞれの特徴や住み心地についてもアドバイス可能です。後悔のない家選びを一緒に考えましょう。