お客様に紹介するため都内某区で販売中の建売住宅の資料を取り寄せ、登記簿謄本を確認したところ、旧家屋は平成8年に建築されたものでした。その敷地では既に新たな建売住宅の建築が進められています。
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違反建築の可能性
平成8年といえば、私も既に社会人として働き始めており、当時は建売住宅の設計業務を担当していました。当時の建売住宅は違反建築も多くあり、旧家屋と同じ分譲会社で建てられたと思わしきお隣の家を確認すると、キノコのような屋根形状になっていて、確認申請では2階建てだったのに実際には3階建てとして建てられていた可能性があります。(ベテランの不動産営業であれば、「キノコの屋根」で分譲会社がわかるかもしれませんね。)
さて、違反建築である場合、築28年というまだ使えそうな状態であっても、中古住宅として再販売しにくいため、建て替えが選ばれるのも無理はありません。しかし、自分が設計を担当した家が築30年も経たずに建て替えられるとなると、設計者としては切ない思いがします。私が設計を担当した家では、今のところ計画道路の影響で取り壊された住宅以外は、まだ建て替えなどは行われていないことも付け加えておきます。
屋根や外装材の品質
低品質の屋根材や外壁材を使用していると、30年も経たないうちに劣化が進み、屋根の張替えなど大規模修繕が必要になる可能性があります。実際にこの家のお隣は屋根をふき替えていました。時代的にノンアスベストの耐久性の低いものが使われていたのだと思います。
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気密性と耐久性
近年は建売住宅でも断熱性能が重要視されていますが、現在の法律では規定されていない気密性が低いと冷暖房費が高騰し、快適性が損なわれます。
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また、耐久性についても、「外壁通気工法」は採用されていても、現実的に機能していない家もたくさんあります。
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注文住宅でも同じリスク
これは建売住宅だけの問題ではなく、注文住宅を検討している方にも当てはまります。初期費用を抑えるためにローコスト住宅を選んだ場合、同じようなリスクに直面する可能性があります。
短期的なコストを重視しすぎると、長期的な維持費やリフォーム費用が高額になることが考えられるため、家を選ぶ際には目先の費用だけでなく、ライフサイクルコストを意識することが重要です。
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まとめ
これから家を購入する皆さんには、間取りやデザインだけでなく、家の性能にも目を向けていただきたいと思います。構造躯体や外装材、断熱性能など、長く住むために必要な要素をしっかり確認することで、資産価値を維持し、快適な暮らしを実現できます。
家は人生で最も大きな買い物の一つです。失敗しないためにも、見た目だけでなく性能にもこだわった選択をしてほしいと思います。また30年で建て替えが必要な家を買わないように、性能や耐久性をしっかり確認してください。
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