購入時に見ておきたいポイント⑧
●南道路は陽当たり良好か?
●東側道路、西側道路面の陽当たりは?
●陽当たりの悪くない北道路もある
●季節による太陽高度のシミュレーション
●更地の場合の日影シミュレーションも可能です
●まとめ
南道路は陽当たり良好か?
一般的に南道路面は陽当たり良好と思われますが、本当にそうなのか考えてみましょう。
こちらは南道路面の3LDKの間取りですが、2階のLDKと3階南側のお部屋の陽当たりは良さそうですが、3階北側のお部屋は南側に窓がなく、しかも西側の1か所にしか窓がない為、陽当たりと風通しは悪そうです。
このような間取りの場合、南側道路面の最大のメリットはリビングの日照時間が長いところでしょうか。
続いて、建物の断面を見てみましょう。
板橋区の夏至の太陽高度は約77.3°、春分・秋分の太陽高度は約54°、冬至の太陽高度は約30.9°をそれぞれ図示してみました。
夏至、春分・秋分の時期であれば1階にも陽射しがありますが、冬至の時期は2階には陽射しはなく3階部分にしか陽射しがありませんね。
従って、南道路面とはいえ道路向かいの建物の状況によっては、冬場においては2階リビングにも陽射しが見込めない可能性があるということです。
また、今回のケースの場合、3階北側のお部屋は陽当たりも悪く天井も低くなるので、快適性という点ではかなり劣りそうです。
その他、用途地域により道路向かいに建築される建物の高さも変わります。
特に住居系以外の用途地域の場合は、道路斜線制限が大幅に緩和されます。
写真は画面右側からみると南道路面、左側からみると北道路に面する立地になります。
写真にモザイクを掛けているので分かりずらいですが、3階部分にしか陽がさしておりません。
こちらは準工業地域になり、元々は町工場などが点在していたエリアですが、昨今はその町工場も閉鎖され3階建ての住宅が多く建ち並ぶ環境でした。
ところが、その工場の跡地に5階建てのワンルームマンションが建ったのです。
このように南道路に面しているからといって、必ずしも陽当たりが良いわけではありません。
また、購入当初は陽当たりが良くても上記のように、用途地域によっては5階建てのマンションが建ってしまうこともあるんですよ。
東側道路、西側道路面の陽当たりは?
続いて東側道路面の3LDKの間取りです。
平面だけを見るとどのお部屋も陽当たりが悪そうで、東向きのお部屋しか陽射しがなさそうに見えますが、断面を見てみると・・・
春分~夏至~秋分の時期であれば、2階・3階のお部屋に陽射しがあり、冬至の時期でも3階の2部屋には陽が入ることが分かります。
とはいえ南側道路面の2階と比べると陽当たりは落ちてしまいますね。
陽当たりの悪くない北道路もある
最後に北向き道路についてです。
一般的に陽当たりが悪いというイメージの北向き道路ですが、第一種高度地区の場合であれば、ある程度の陽当たりを確保することが出来る場合もあります。
また、第一種高度は3階建てを建てることが厳しいエリアであることが多いのですが、北向き道路面は高度規制の緩和がありますので、ボリューム感のある間取りを建てることが出来るケースがあります。
季節による太陽高度のシミュレーション
更地の場合の日影シミュレーションも可能です
まとめ