購入時に見ておきたいポイント⑥
●袋詰めされたグラスウールが一般的
●発泡ウレタンの断熱材
●ポリスチレンフォームの断熱材
●断熱材は性能と厚みが大切
●2025年度から省エネ基準適合が義務化するかも
●断熱等性能等級にも注目
●断熱性能、省エネについてもっと知りたい方は
袋詰めされたグラスウールが一般的
一般的には繊維状の断熱材が袋詰めされたグラスウールを使用しているのが一般的です。下の写真はグラスウールを埋め込んだ壁内の様子です。
外気に面する壁面、小屋裏、仕様によっては各階の天井に入れ込みます。こちらの欠点は、施工方法によりコンセントやスイッチプレート廻りに隙間が生じ、そこから冷気が入り込むことで、寒い家になってしまう可能性があります。※ここが一番大切なポイントですので、気になる物件があれば施工途中を確認した方が良いです。
コンセント・スイッチプレートから冷気が入ってしまう場合、後付けで設置できるコンセントのカバーがありますので、入居後でも隙間風の対策、気密対策が可能です。
また、グラスウール断熱材は耐水性がありませんので、雨漏りや壁内結露が生じた場合にはその性能を発揮することが出来ません。
同じに見えるグラスウール断熱材でも、高性能で密度の高いものや厚さが重要です。
発泡ウレタンの断熱材
つづいて発泡ウレタン断熱のご紹介です。こちらは、ウレタン樹脂に発泡剤を混ぜて現場で発泡させる施工ですので、隙間なく施工することが出来ます。
施工費が高くなるため、一般の建売住宅では見かける機会は少ないのですが、稀に同工法を採用している会社さんもありますので、ぜひ気にかけてみてください。
発泡ウレタンも30倍発泡、100倍発泡と2種類あります。
100倍発泡タイプのものは注意点があります。
ポリスチレンフォームの断熱材
ポリスチレンフォームの断熱材の写真です。断熱材と外部パネルを工場で一体として作成し、現場ではパネルをはめ込むだけですので、隙間が少ないのがメリットです。
断熱材は性能と厚みが大切
断熱材については、その性能の違いだけではなく、どの位の厚みのものが入っているかが大切です。
例えば上記写真右にある①グラスウール(熱伝導率0.05W/mK)の厚さ50mmの床断熱材と写真左にある②ポリスチレンフォーム(熱伝導率0.028W/mK)の厚さ50mmの床断熱材とは厚みは同じですが、熱抵抗値を計算すると①は1.0㎡K/W(0.05m÷0.05W/mK)、②は1.78K/W(0.05m÷0.028W/mK)になり、②の断熱材を入れた家の方が熱を通しにくくなります。
つぎに③密度10K、熱伝導率0.05W/mKで厚さ10cmの断熱材と②高性能10K、熱伝導率0.043W/mKで厚さ8.5cmの断熱材、④の方は高性能で①より熱伝導率の低い(熱が伝わりにくい)断熱材を使用しているから、②を使用している住宅の方が断熱性能が高いと思ってしまうと大間違いです。③の熱抵抗値は2.0㎡K/W(0.1m÷0.05W/mK)、④の熱抵抗値は1.977㎡K/W(0.085m÷0.043W/mK)ですので、数値の高い③の方が熱を通しにくいということになります。※熱抵抗値は数値が高い方が熱が伝わりにくくなります。
袋詰めされたグラスウールが一般的