東京ビッグサイトで7月26日・27日の2日間に渡って行われた【リフォーム産業フェア2022】内の「リノベ工務店サミット」に参加し、設計事務所や工務店が手掛けている性能向上リノベーションのセミナーを受講してきました。
セミナーは全部で8コマ、リアルとオンラインの同時開催で、YOUTUBEではお馴染みの松尾設計室の松尾氏、M’s構造設計の佐藤氏、オーガニックスタジオ新潟の相模氏などが講師をされたコマは、リアルは満卓、オンラインの視聴者も約800人ほどいるという盛況ぶりでした。
コロナ禍による巣ごもり需要や新築住宅の高騰などにより、リノベーション、リフォーム分野は更なる需要増加が見込めるという予測ですので、工務店はリノベ市場への進出をどのように行うべきかという内容でした。
弊社においては不動産仲介業ですのでリノベーション、リフォームが絡むとなると、中古住宅購入+リノベ、リノベ済み住宅の購入を仲介するの2パターンに絞られます。そこで、今回は【リノベ済み住宅】特にリノベ済み中古一戸建ての購入時に注意して頂きたいポイントをお伝えします。
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リクシル社のWEBサイトをみると、「リノベーション」とは、既存の建物に対して新たな機能や価値を付け加える改装工事を意味します。たとえば、間仕切りを広くする、キッチンをより現代的で機能性の高いものに変更する、といった事案です。
これに対し、ボロボロになった部分を修復する、老朽化したスペースを新しく改装する、といったケースを「リフォーム」と言います。リフォームはマイナスの部分を修復してプラスに戻すという意味合いですと書かれていますが、厳密には区別がなく上記でいうところのリフォームしか行っていない物件でも「リノベーション一戸建て」として販売している一戸建ても数多く見かけます。
ここでは、設備(キッチンやお風呂などの水回り)や仕上げ(クロス・フローリングの張替え)などの表層部だけ改修工事を行った物件を「リフォーム物件」、設備や仕上げの改修だけではなく、耐震性や断熱性など家の性能を向上させる改修工事を行った物件を「リノベーション物件」とさせて頂きます。
不動産会社が再販売するリフォーム済み物件
不動産会社が一般の方から中古物件(一戸建て、マンションなど)を買取り、リフォームなどの改修工事を行ったうえで再販売することを「買取再販」といいます。
買取再販物件は、不動産サイトや販売チラシに「リノベーション済み」と記載があっても殆どの場合は表層部のみ改修を行ったリフォーム物件ですので、仕上がりは新築同様にキレイになっていても、構造や断熱の補強は行っていないケースが多いので、構造部分は経年劣化している可能性があります。
特に、木造一戸建ての場合は、経年劣化以前の問題で、その新築年次により建築確認申請とは異なる間取りや構造で建てられているケースも多くありますので、特に注意して頂きたいポイントです。
お勧めできる新築年次のポイントは、過去の記事をご参照ください。
▼こちらの記事です▼
その他に上下水道などの配管廻りも既存のものを使用していることが多いので、築古物件などは不動産会社へ確認した方がよいかもしれませんね。
その他、2025年に全ての新築住宅で義務化される断熱性能(断熱等級4)についても、全国にある既存住宅のうち断熱等級4を満たした家の割合は11%ほどしかありませんので、現在、販売されている中古一戸建てで義務化される基準を満たした物件は非常に稀であることが分かります。
断熱等級4を満たしている物件か否かは、売主より新築時の住宅性能評価書やフラット35sの適合証明書などがあれば判別することができます。
その他、築古だと床下や小屋裏に断熱材が入っていないという物件も、リフォーム済みとして販売されていることもありました。
また、断熱性能の違いは光熱費に直結するので、物件価格だけではなく、ランニングコストも考えて検討した方がよいでしょう。
特に窓の種類が大切で、住宅の熱損失の割合が高いのは窓からですので、二重ガラスになった窓になっているかも見ておきたいポイントです。
▼この記事です▼
二重ガラスになっていない住宅でも、内窓を設置したりカーテンの代わりにハニカムシェードを設置するなどの対策も有効です。
▼この記事です▼
2階建ての注意点
3階建てと比べて老後も生活しやすい2階建ての一戸建ては中古市場においても人気ですが、2階建てならではの注意点もあります。
現在の建築基準法では、2 階建て以下で延べ面積500m²以下などの条件を満たした木造一戸建て住宅は、建築確認の構造審査が省略されています。
3階建ての場合は許容応力度計算という構造計算を行いますので、中間検査が義務化された1999年(平成11年)以降の住宅であれば、全てではありませんが一応安心です。
構造審査を省略するとは、構造に関する計算が不要ということではないのですが、一部の事業者は審査がないから計算も不要という解釈で、構造についての図面も作成せずに大工さん任せのテキトーな骨組み(構造)で建築されている住宅が存在します。
上記の「リノベ工務店サミット」の講師を務められたM’s構造設計の佐藤氏いわく、2000年以降に一般的になったプレカット(工場で骨組みになる木を加工したもの)や外周部に構造用面材、床部に厚い合板(ネダレス・剛床)を採用した住宅においては、2階建てで構造計算を行っていない住宅でもある程度の強度があるとも仰られていました。
既存住宅瑕疵保険の加入の有無
新築住宅の場合、柱や梁など構造耐力上主要な部分及び外壁や屋根などの雨水の浸入を防止する部分については10年保証が義務付けされており、万一、10年の間に雨漏りなどの事故が生じても売主の責任で対応して頂けますが、買取再販物件の多くは2年の契約不適合責任により担保されることが多いので、購入2年後以降に雨漏りなどの事故が発生した場合には自費で補修する必要があります。
数は少ないですが「既存住宅瑕疵保険」に加入し、5年保証の中古住宅もありますので、不動産会社や販売チラシを確認するなどしてください。
耐震・断熱性など性能向上リノベーションを施した一戸建て
鎌倉・湘南エリアになりますが、耐震等級3×断熱等級6という超高性能なリノベーション中古一戸建てを手掛けている買取再販業者さんがいます。
【株式会社プレイス・コーポレーション】の代表である浜田さんは、私も一度お目にかかったことがありますが、断熱、気密性など建物の性能の大切さを知ってから、これまでのリフォームではなく性能向上を施したリノベーション物件に注力されていると仰られていました。
中古一戸建てなのに新築建売住宅の性能をはるかに上回る性能向上リノベーション、持家リノベや実家リノベを検討されている方はお勧めです!
プレイス・コーポレーションさんは、高性能な建売住宅も販売されておりますので、鎌倉・湘南エリアで一戸建てを探されている方は、ぜひチェックしてください。
板橋区・北区・豊島区で表層型リフォーム済みの中古一戸建ての購入を検討されている方、性能向上リノベーションを検討したいという方は、地元の富士屋不動産へご相談ください。
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