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断熱性能のお話し①仕様基準採用の断熱性能等級4、等級4未満の新築建売住宅と15年前の建売住宅の断熱性能差はどれくらい?

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カテゴリ:新築住宅購入時のポイント
2021年 7月15日投稿
2021年 9月12日更新

断熱性能のお話し①

仕様基準を採用した断熱等級4の建売住宅と等級4未満の建売住宅、15年前に分譲されていた一般的な断熱仕様の建売住宅とでは、どれくらい性能が違うか計算してみました。

仕様基準採用の断熱等級4、等級4未満の新築建売住宅と15年前の建売住宅の断熱性能差はどれくらい?

令和3年4月に施行された「改正建築物省エネ法」によるモデル住宅法を使用して断熱性能等級4(仕様基準を採用)、等級4未満の新築建売住宅と15年前の建売住宅の外皮平均熱貫流率(Ua値)を算出してみました。

各断熱材、サッシなどの全ての部位について一定基準以上のものを使用すれば等級4になるという「仕様基準」を採用した住宅を、「モデル住宅法」を採用すればUa値はいくらになるか算出した概算値になります。

表中にある熱貫流率は、実際に販売中の物件の仕様書や矩計図を参照としております。

①仕様基準採用の断熱性能等級4の概算Ua値は

断熱性能等級4の建売住宅、モデル住宅法で計算した外皮平均熱貫流率(Ua値)


断熱性能等級4のUa値は0.87W/㎡K以下ですが、モデル住宅法を使用した概算値は0.67W/㎡K、全窓にハニカムスクリーンを設置した場合の概算値は0.64W/㎡Kになりました。

尚、部位毎の面積や長さを計算する標準計算ルートを使用すると0.59W/㎡Kになりましたので、ZEH基準ほどの性能になりそうです。
※省エネ性能計算ソフトを使用して算出しておりますが、外壁面積などは図面から拾った手計算で入力しておりますので、アバウトな数値となります。

また、窓、ドアなどの開口部をガラス間の中空層の薄い一段階性能の落ちるタイプ(3.49W/㎡K)で計算すると0.81W/㎡Kになり、こちらでも等級4となりましたので、断熱等級4の物件であっても窓からの熱損失に違いが出てきます。

②断熱性能等級4未満の概算Ua値

つづいて等級4未満の建売住宅のUa値は1.04W/㎡Kになりました。


断熱性能等級4未満の建売住宅、モデル住宅法で計算した外皮平均熱貫流率(Ua値)

こちらも実際に販売中の物件ですが、窓、玄関ドアの熱貫流率が低い(4.070W/㎡K)ため、開口部だけで47%(0.493÷1.04)の熱損失があるのが大きいですね。

窓の性能をアルミ樹脂複合サッシ(Low-Eガラス)の熱貫流率2.33W/㎡Kを採用した場合、Ua値は0.83W/㎡Kになりましたので、断熱性能等級4相当になります。

やはり窓の性能差が大きいということですね。

また、屋根の断熱性能は①に比べ約半分、③の15年前の建売住宅と同じというのもポイントです。

③15年前の建売住宅の概算Ua値

最後に15年ほど前の建売住宅のUa値を計算すると1.32W/㎡Kになりました。
15年前の建売住宅、モデル住宅法で計算した外皮平均熱貫流率(Ua値)



15年前の建売住宅のサッシ性能、断熱材の厚さが現在とは大幅に劣りますので、Ua値もかなり落ちましたね。

現在の断熱性能等級4に比べおおよそ倍ほどの熱が逃げるということですので、中古一戸建てを検討の際は、このあたりも検討材料に入れた方が良さそうです。

①断熱等級4の住宅と②断熱等級4未満の住宅でのリビングの室温とサッシ表面温度の違い

断熱等級4の住宅、断熱等級4未満の住宅でのリビングの室温と、サッシ表面温度を計測してみました。

①断熱等級4の住宅のリビング室内温度は

11時51分、外気温32℃の時のリビング室内温度は30.9℃

直射日光の当たるサッシ部の表面温度は37℃となりました。



続いて②断熱等級4未満の住宅のリビング室内温度は

11時18分、外気温31.3℃の時のリビング室内温度は33.2℃

直射日光の当たるサッシ部の表面温度はなんと45.4℃となりました。

こちらの物件の購入をご検討されるお客様がいらっしゃれば、ハニカムスクリーンの設置をお勧めしますね。



冬の熱損失を計算

①の新築一戸建てのUa値0.67W/㎡Kと②の新築一戸建てとのUa値1.04W/㎡Kの熱損失の差は0.37W/㎡Kになります。

東京都練馬観測所における令和3年1月の平均気温4.7℃で、外皮面積300㎡の一戸建ての室内温度を22℃まで暖めるのに必要な熱量の差は
①0.67W/㎡K×17.3℃×300㎡≒3478W/㎡K
②1.04W/㎡K×17.3℃×300㎡≒5398W/㎡K
で差は1920W/㎡K

1時間あたり約1.9Kwの差になり電気料金が27円/Kwhだとすると約51円、8時間だと8時間×51円で408円、1か月で30日×408円=12,240円の差になります。
※換気による熱の損失は考慮しておりません。

まとめ

現在、販売中の物件でも①の断熱等級4以上と②の等級4未満の物件があります。
もちろん各室の陽当たりにもよりますが、室内の快適さにも差がでます。
その他にも昨今の研究においては、室内温度環境の違いはヒートショック、高血圧や糖尿病などの関係も指摘されていますので、断熱性能の違いは健康面にも違いがあるということです。
入居してから、「この家、めちゃくちゃ寒い!」と後悔する前に、事前に断熱性能を確認してみてはいかがでしょうか。

ちなみに①と②の一戸建ては同じ板橋区内で価格は同じなんですよ。

建売住宅の内覧時に見ておきたいポイントと注意点

第十五回・・・「ホントに怖い!!壁の中の結露について②」


「断熱性能のお話し」シリーズ


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山本 亮

住宅の設計、施工管理、建売用土地仕入れを経験した住宅のプロの目線で、お客様のお住まい探しをお手伝いさせて頂きます。また、10年間一戸建てに居住し、現在はマンションに居住しておりますので、一戸建て・マンションそれぞれの良い点、悪い点など実際に住んでみて分かることなどもお伝えします。 私は代表者ですので、無責任な仕事は致しません!お一人お一人のお客様の為に責任をもって対応させて頂きます。

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