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シロアリの脅威を学ぶ~ロングライフハウスツアー②~

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カテゴリ:新築住宅購入時のポイント
2022年 6月24日投稿

初見!アメリカカンザイシロアリ

最後は、日本ホウ酸処理協会研修施設でシロアリの特性を学び、実際の飼育現場を見学してきました。


東京近郊にはイエシロアリ、ヤマトシロアリ、カンザイ(乾材)シロアリの3種類が生息しているそうです。


イエシロアリ、ヤマトシロアリは水気のある地下に営巣しますが、カンザイシロアリは乾燥材に含まれたわずかな水分だけで生きていくことが出来るので、家具にも巣を作ることができるそうです。

アメリカカンザイシロアリの飼育箱

写真:ショーケース内で実際にアメリカカンザイシロアリを飼育しています。


上の写真にあるショーケースには家具が入っていますが、引き出しや天板などもシロアリに食われていました。


アメリカカンザイシロアリの職蟻と兵隊蟻です。

シロアリ


シロアリの羽蟻は白くないってご存じですか?羽蟻が落とした羽の写真と糞粒の写真ですが、木くずのようなものが糞粒です。

アメリカカンザイシロアリの羽


アメリカカンザイシロアリの王と女王

アメリカカンザイシロアリは家具にも巣を作ることができますので、お部屋のどこかに木くずのようなものが見つかればシロアリの可能性もあります。


写真ような木くず?や羽を見つけたけど、シロアリなのか分かりませんよね?


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なお、ヤマトシロアリの羽蟻はGW前後の雨が上がって気温を上昇すると群飛、イエシロアリの羽蟻は6月から7月頃の夕方群飛するそうです。


長持ち住宅にするにはシロアリ対策は必須

シロアリ対策は、しっかり行わないと耐久性だけではなく、耐震性を保つことも出来なくなる可能性があります。


平成7年1月に発生した阪神・淡路大震災時の死因の多くは住宅倒壊による圧死で、シロアリ被害のある住宅のほとんどが倒壊しているそうですので、シロアリ対策は長持ちする住宅を考えるにあたって重要なポイントです。


シロアリ対策において一般的に採用されているのは、合成殺虫剤を使用した処理方法ですが、今回のツアーではホウ酸で処理を行う「日本ボレイト(株)」浅葉氏からお話しを伺いました。


ホウ酸というと、G用に使うホウ酸団子や私も子供と一緒に作ったスライムの材料としても有名ですよね。


シロアリは蟻の仲間ではなくGの仲間で、ホウ酸は腎臓をもたないGには有害だけど、腎臓をもつ人間には害が少ない自然素材で、防蟻効果も持続するそうです。


一方、合成殺虫剤を使用した処理方法は、人体への影響も強いので有効期限が短く5年ごとに再処理を行わなければならないことです。


確かに、一戸建て購入時の引き渡し書類にある「シロアリ保証書」は、施工日から5年と記載されています。


今回お話しを伺ったホウ酸によるシロアリ処理は、5年ごとの定期検査(5万円/回)を受けると最長15年の保証を受けることができるそうです。


当然、ホウ酸にもデメリットがあり、水に弱いので施工途中に材木が雨で濡れないよう養生が必要になります。


また、即効性はなさそうで、駆除などには薬剤を使用して行うようです。


ホウ酸による防腐防蟻処理のシェアは3%しかないようですが、人体への影響、再処理を考えると今後のシェアは増えてきそうです。


昔の家はお風呂場での被害が多く、最近の家は玄関廻りでの被害が多い

昔の家で発生するシロアリの被害箇所の多くはお風呂場でしたが、ベタ基礎が多く採用されている最近の一戸建てにおいては、玄関廻りで多発しているそうです。(出典:日経ホームビルダー)


タイル貼りの古いお風呂(ユニットバスではないお風呂)は

①タイルは割れて水が漏れる→木材が濡れて腐る→シロアリを誘引

②お湯を流す→配管が温まる→冬眠できないシロアリが集まる→シロアリが侵食

という悪循環が続きます。


シロアリに柱や土台が食われていると耐震性も低下しますし、寒いお風呂場はヒートショックの原因にもなりますので、耐久性だけではなく、健康面でも考えてもユニットバスへのリフォームはオススメですよ。


一方、ベタ基礎を採用した比較的新しい住宅においては、玄関廻りで蟻害が見つかることが多いようです。

玄関扉 蟻害

写真:日経ホームビルダー


玄関扉の木製枠が地面に接している場合は、枠の地面付近を触って、柔らかくなっていないか確認してみましょう。


柔らかくて手ごたえがない場合、蟻に食われている可能性もありますので、専門家に相談してください。


シロアリ点検がしやすい家を買いましょう

シロアリは1mm前後の隙間があれば侵入できるそうですので、点検のしやすい施工になっているかも大切です。

蟻道

イラスト:日経ホームビルダー


過去のコラムでも書きましたが、上記のイラストのように配管を地中に埋めている施工だと、配管の交換ができなくなるだけではなく、蟻害を見つけることも困難になりますので、基礎の横から配管されている物件がオススメです。

基礎立ち上がりから配管

詳しくは、過去のコラムをご覧ください。


上の写真のような施工だとメンテナンスや交換もしやすくなるので、建物の寿命も長くなります。

最後に

先のアンケートでは、一戸建ての寿命は50~59年と答えた人が約半数でしたが、長持ちする住宅を見極めて買わないと、35年ローンの完済と建物の寿命が同じということにもなりかねません。

これまで「耐震性能」、「断熱性能」のことばかり取り上げていたように思いますが、今回のツアーに参加し、「メンテナンス性」、「耐久性」の重要度も高いことが改めて分かりました。

高性能な家は初期費用は掛かりますが、メンテナンス費用や光熱費などライフサイクルコストを考えた場合、結果的に費用負担が少なくなるケースが多いように思います。

とはいえ、このコラムで書いてある全ての項目を満たした建売住宅なんてほぼありません。

注文住宅となるとスーパー工務店の受注価格は、建売住宅の建物価格の倍はしますので、都内など地価の高いエリアで土地+注文住宅という選択を出来る方は限られてくるでしょう。

限られた予算内で高性能な家を手に入れるには、後からは手を入れることが難しい耐震性能を優先し、断熱性能や気密性能については施工途中を確認、できる限り丁寧に施工されている物件を買う、入居後にDIYでリカバリーする方法もあります。

当然ながら施工時に行っているものとは性能は劣るでしょうが、注文住宅と比べると金銭面の負担は少ないのではないでしょうか。

また、注文住宅と建売住宅との建物価格差が倍にもなると、メンテナンス、光熱費を考慮しても、毎月のローン負担が重くなり生活苦になってしまうと本末転倒です。

立地面を優先して建売にするか、建物を優先して注文にするかは、お客様の考え方、生活スタイルにより変わりますので、ご家族皆さまでどちらを優先にするかだと思います。

富士屋不動産へお住まい探しをご依頼いただければ、住宅性能のご説明はもちろんのこと、施工途中もご一緒に確認しアドバイスさせていただきます。

板橋区・北区・豊島区がメインエリアになりますが、23区内でしたらご対応可能ですので、お気軽にご相談ください。





建売住宅の内覧時に見ておきたいポイントと注意点


併せて読んでほしいシリーズ

「断熱性能のお話し」シリーズ

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山本 亮

住宅の設計、施工管理、建売用土地仕入れを経験した住宅のプロの目線で、お客様のお住まい探しをお手伝いさせて頂きます。また、10年間一戸建てに居住し、現在はマンションに居住しておりますので、一戸建て・マンションそれぞれの良い点、悪い点など実際に住んでみて分かることなどもお伝えします。 私は代表者ですので、無責任な仕事は致しません!お一人お一人のお客様の為に責任をもって対応させて頂きます。

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