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7月25日付のコラム「夏型結露について」でお伝えした、マグ・イゾベール社主催の「夏型結露対策オンラインセミナー」の視聴者限定で開催された「調湿気密シート施工現場見学会」に参加してきました。
埼玉県某所、板橋からは車で30分ほどの区内に近い場所で、10区画ほどの分譲地でそれぞれ注文住宅が建ち並ぶ閑静な住宅地です。
見学会は1日4回に分けて行われましたが、私が参加した回では10人ほどの建築関係者がいて、皆さん日ごろから高断熱高気密を手掛けられている専門家の中に一人だけ素人が紛れ込んでいる状態、専門家同士で交わされている言葉もほぼ理解できませんでした(笑)
断熱性能を示すUA値は0.28W/㎡K
住宅の断熱性能の指標の一つであるUA値は0.28W/㎡Kと、今年の10月に新設予定の断熱等級7(UA値:0.26W/㎡K)に近い性能です。
2025年(令和7年)から全ての新築建物において義務化される断熱等性能等級4のUA値は0.87W/㎡K、今年の4月に新設された今のところの最高等級である等級5のUA値は0.60W/㎡Kですので、いかに高性能な家であるかが分かります。
超高断熱住宅の仕様①窓
超高断熱住宅と一般的な建売住宅との違いを部位ごとにご覧いただきます。
住まいの中で熱の出入りが最も多いのが「窓」ですので、窓の性能差は住まいの快適性に直結します。
見学した住宅に設置されていた窓は、YKKAPの樹脂窓トリプルガラスサッシという樹脂のフレームに3枚のガラスがはめ込まれたものでした。写真:YKK-AP ホームページより
多くの建売住宅で採用されている、アルミ樹脂複合窓ペアガラスサッシ(フレームの外側はアルミ、内側は樹脂、2枚ガラス)に比べて窓からの熱損失が半分以下になりますので、結露や冬の時期に窓辺で感じるヒヤリ感も抑えることができます。
写真:YKK-AP ホームページより
超高断熱住宅の仕様②付加断熱
建売住宅においては柱と柱の間だけ断熱材を入れる充填断熱が一般的ですが、こちらでは充填断熱に加えて外壁側にも断熱材を追加した付加断熱になっております。室内側から撮影した写真ですが、壁内に入る断熱材も柱の太さ(10.5㎝)分ビッチリ入っていて、冬場は防湿、夏は透湿する調湿シートが張られていて夏型結露対策もされています。
柱などに使う木は、断熱材に比べて熱伝導率が高い(熱を伝えやすい)ので、柱からの熱の流出入を少なくするために、超高断熱住宅においては付加断熱を採用しております。
超高断熱住宅の仕様③玄関廻りの対策
建売住宅あるあるですが、暖房のない玄関廻りは特に寒くなりやすい場所になりますが、こちらの物件は玄関廻りの冷気対策も行っております。
玄関廻りはお部屋などと違い、基礎コンクリートの上にタイルを張るケースが多く、室内の中でも特に寒さを感じる場所ですが、こちらは基礎コンクリートの内側に厚さ10㎝もある発泡スチロール状の断熱材を入れてました。
その他にも壁だけではなく、床下や屋根部分の断熱材も断熱等級4の建売と比べて倍以上の厚みの断熱材が入っているようです。
その他にも、耐久性や将来のメンテナンスなども考慮した家造りを見ることができましたが、そのご紹介はまた機会があればお伝えさせていただきます。
高性能住宅については書籍や動画でしか見ることがなかったのですが、初めて高断熱高気密住宅の工事現場を拝見する機会を頂いて、改めて家探しをされるお客様には少しでも建物の性能に目を向けていただけるよう、日々発信しなければならないと感じた次第です。
高性能住宅は当然ながら建売住宅より高いですが、少ない光熱費でどのお部屋も夏は涼しく冬は暖かく暮らせることができますし、耐久性やメンテナンス性を考慮した家は、安心して長く住むことができるものだと考えます。
このコラムを見て、高性能住宅に興味が湧いたという方が一人でも増えれば嬉しいですね。
ご意見やご感想などお聞かせください。
建売住宅の内覧時に見ておきたいポイントと注意点
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